共創で加速させる「治療アプリ」の普及 新たな選択肢を提示するCureApp

成長を遂げるスタートアップ企業では、どのようなマーケティング戦略が実行されているのでしょうか。新興企業の戦略から新しいマーケティングの方法論を導き出します。

※本記事は月刊『宣伝会議』5月号に掲載しています。

CureApp(キュア・アップ)

設立年 2014年
従業員数 約130名(2026年3月時点)
事業概要 治療用アプリ事業/医療機関向け治療用アプリプラットフォーム事業/民間法人向けヘルスケアプログラム事業など

CureAppは、2014年に、医師である佐竹晃太氏と鈴木晋氏の2人が創業した医療系スタートアップだ。従業員が約130名となった現在も、その約3割は医療従事者が占める。同社が手がけるのは、医薬品でも手術でもない、第3の治療法としての「治療アプリ」である。治験で有効性を検証し、厚生労働省の承認を経て、医療機関にて保険適用で、疾患の治療を目的として処方されているものだ。

治療アプリがアプローチするのは、診察後から次の診察までの「治療の空白期間」で生じる問題だ。これまで、患者が適切に服薬できているか、指導に基づいて生活習慣が改善しているかといった在宅時の状況に、医師が直接関与することは難しかった。治療アプリは、患者に必要な学習や習慣化を支援することで、患者の行動変容を促す役割を担う。さらにアプリに記録された生活データをもとに、医師が患者ごとに個別化した治療判断を下すことが可能となる。

グローバルでは、治療アプリは600以上存在し、2030年には約5兆円規模に成長すると予測されているが、日本で厚生労働省の承認を受け販売もしている治療アプリは、同社が開発した3つのみだ(2026年3月時点)。

※Grand View Research, Digital Therapeutics Market Report, 2025-2030

同社のプロダクトの中でも事業の柱となっているのが、国内でもっとも患者数が多い「高血圧症」を対象とした治療アプリだ。

現状、日本の高血圧症患者の70%は「未治療」の状態にあるか、あるいは治療を受けていても薬だけでは「降圧目標を達成できていない」とされ、実効性の高い生活習慣改善の手法が求められている領域だ。

同社の高血圧治療補助アプリは、6カ月間のプログラムを提供し、臨床現場においても降圧効果が認められている。医療費の高騰や医療の地域格差といった国家レベルの課題を解決できる可能性を秘めた、治療の選択肢となっている。

高血圧治療補助アプリの事業責任者であり、同社のマーケティング活動を牽引しているのが執行役員の馬場継氏だ。「当社では、顧客にどのような価値を提供していくのか、その実行プランを製品開発や営業、事業マネジメントを担う部門と共にプランニングしています。マーケティングのメンバーは、そのファシリテーション役となり事業全体の戦略立案を担っています」と話す。

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