ガンプラ愛を「熱量還元」するUX 公式アプリが導くブランドとファンの共創戦略

ガンプラファンの公式コミュニティがアプリ化

バンダイナムコホールディングス傘下のBANDAI SPIRITS(バンダイスピリッツ)は5月12日、人気アニメ「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデル「ガンプラ」ファン向けのコミュニティ機能を備えたスマートフォンアプリ「ビルダーズノート」を提供開始した。ユーザーが製作したガンプラの記録や、「ビルダー」と呼ばれるファン同士の交流ができる。利用は無料で、iOSとAndroidに対応する。

これまでWeb版として3年ほど運営してきたが、「製作ノート」機能の追加など拡充を行いアプリ化に踏み切った。ガンプラは誕生から40年超のロングセラーで、 2020年5月時点で累計出荷数は7億個に上るなど熱心なファンを多く抱える。これまで個人のSNSや模型誌に分散していた「製作記録の保存」や「ファン同士の交流」を、メーカー公認の場として提供する狙い。

ガンプラはアジアを中心とした海外でも人気を博しており、海外売上高比率が約50%に達している

投票を購買につなぐ「再販会議」

すでに終売していたモデルについて、ファンのリクエストが多いものを再度生産、販売する企画「ガンプラ再販会議」を目玉機能として実装した。

再販投票企画はこれまでも開催してきたが、従来は「投票」と「販売」のプロセスが分断されており、「自分が投票して再販が決まったのに結局買えない」というファンの不満が課題となっていた。本機能ではこの課題を解決すべく、アプリ内での活動量(製作記録の投稿など)に応じて投票権を付与し、投票行動をその後の抽選販売における当選確率向上に直結させる仕組みを構築した。結果的に「実際に手を動かした熱心なガンプラファン」ほど「推しキット」を購入しやすい仕組みに改善した。

これにより、熱心なファンを優遇するプログラムとするとともに、メーカー側にとっても、熱心なコアファンの実データに基づく需要予測と再販計画が可能になる。

ガンプラ再販会議の選抜選挙は毎月開催される。熱心なファンほど、投票権=当選確率が高い設計により、ロイヤリティの高い層の離反を防ぐ狙いがある

コンテンツの蓄積と知識共有を担う「ガンプラ製作ノート」機能

Web版では交流が主目的とされていたが、運用データから他者との交流よりも「自分のペースで製作に集中したい」というユーザーの存在が明らかになった。これに対応する機能として実装されたのが「ガンプラ製作ノート」である。

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