6月22日から、NetflixでNHKのコンテンツ配信が始まった。NHKは5月20日、大河ドラマや朝の連続テレビ小説(通称:朝ドラ)をNetflixに有償で提供すると発表しており、大河ドラマ『軍師官兵衛』や連続テレビ小説『まんぷく』 など6作品から始め、順次展開していく。NHKの井上樹彦会長は定例記者会見で、外部のプラットフォームからのコンテンツの配信要望は年々増えており、「NHKの良質なコンテンツが、海外でどこまで広く受け入れられるかを実証できる、絶好の機会」としている。
一方で、このNHKの発表には賛否の声が上がった。視聴者からは「公共放送なのに、受信料で制作した番組を海外に販売して利益を得るのか」「受信料とNetflixの視聴料を二重で支払うことになる」などの意見や、「批判もあるが、経営も赤字であり、番組資産を収益化することは良いこと」や「世界に日本の大河ドラマが広がるのは楽しみ」といった声が寄せられていた。
民放各社もけん制する。テレビ東京の吉次弘志社長は、定例記者会見で、「受信料で成り立っているNHKが、民間企業と同じようにコンテンツを提供すること自体、少し自制的であるべきではないか」などと述べた。また、日本民間放送連盟の早河洋会長(テレビ朝日会長)は記者会見で、「受信料をベースにしているということであれば、抑制的にあるべきかなと思う」と言及している。
様々な意見がある中で、NHKのNetflixへのコンテンツ有償提供にはどのような意義があるか。日本の民放やコンテンツ産業への影響などを、総務省の「デジタル時代における放送制度の在り方に関する検討会」の構成員を務めた、電通総研 名誉フェローの奥律哉氏に聞いた。
まず、NHKがNetflixにコンテンツを有償提供するのは、今回が初めてではない。以前にも提供していたが、Netflixが広告を表示する低価格のプランを導入したところ、NHKのコンテンツにも広告が表示されることが判明したため、2023年10月から提供を取りやめていた。また、NHKが外部に有償で提供している例は他にもあり、CSのチャンネルに朝ドラなどを提供してきた。今回、話題になったのは、CSの「放送」とNetflixの「配信」という形式の違い、そして、提供先がNetflixという世界の大手だったことも理由とみられる。
