AI量産時代の「共感回帰」!? 生活者の広告嫌悪を突破する、SNS動画の「カウンターパンチ」戦略

3.界隈の熱狂を呼び込む「カウンターパンチ」

今年、僕が本講座でワークショップを交えて重点的に説明をしたいと思っているのは、特定の「界隈」に深く潜伏し、生活者が自らその網に引っかかった瞬間に強烈なインパクトを残す「カウンターパンチ」という手法。

企業エゴを消し、界隈の文脈(ミームやノリ)に“擬態”することで、SNS上で深い共感と愛着を生み出す。ここでの擬態とは、界隈の文脈を深く理解し、そのノリを心から楽しむことで、コミュニティの一員として歓迎される状態を目指すこと。

さらに今注目すべきポイントは、この手法が単なるショート動画のバズにとどまらない点にある。例えば、アイドルがLIVE配信中に寝落ちする様子からファンの自発的な切り抜き動画が連鎖する現象や、Podcastでニッチなテーマを深掘りし、それをビデオPodcastとして量産することで生まれる熱狂など、手数は無数にある。

重要なのは、「界隈」という小さなコミュニティ内で生まれた熱狂が、外側へと溢れ出し、結果として大きな「界隈“外”消費」へと繋がるエコシステムを事前に設計すること。もちろんうまくいくことばかりではないがそれを、意識すること。

カウンターパンチは、誰でも打てる!?

ここで強調したいのは、この戦略は決して“専売特許”ではないということ。誰でも「カウンターパンチ」クリエイティブにチャレンジができる。このあたりはゲスト講師のクリエイター修一朗さんと共創しながら当日は学んでいきたいと考えているが、この記事では「カウンターパンチ」クリエイティブを作るときに参考にすべき「界隈のノリ」をどうやって発見するのか、そのレシピだけ記しておくとする。

まず、(1)検索窓に「自社商品・ジャンル」+「界隈」と入れる。次に(2)その界隈のトップ投稿の「コメント欄」を30件読む。さらに、(3)界隈の「絶対的なお約束(ミーム)」を1つ抽出する。そして最後に、出てきたミームにGoogleの提唱する「バタフライサーキット」の情報探索をかきたてる8つの動機をかけ合わせると・・・この界隈のユーザーは今『気晴らし』を求めているから、笑えるミームで待ち伏せしてカウンターを打ち込もう!などと“アイデアの種”ができる。文章だけだと「?」となると思うので、ぜひ作り方を詳しく知りたい方には本講座を受講することをお薦めしたい。

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愛されるためのクリエイティブは僕らと一緒に変わり続けていく

最後になるが、ストレートも、フックも、引き続き重要な武器であることに変わりはない。しかし、それらを本当に機能させ、中長期的なビジネスの成長を描くためには、コミュニティからの愛を獲得する「カウンターパンチ」が不可欠なんじゃないかと最近気づいた。

界隈の文脈をリスペクトし、静かに待ち伏せ、鮮やかにカウンターを決める。そんな泥臭くも愛嬌のあるプランニングこそが、これからの時代にブランドエコシステムを育む主戦場となると考える。

少しまとめると、ストレートで「ブランドの本質的な覚悟」を伝え、信頼と行動を促し、フックで「今のあなたの関心と繋がっている」ことを示し、指を止めてもらう。そして、カウンターで「界隈の空気」を読み込み、同じノリで一緒にドアを開ける。どれも外せないエッセンスじゃないだろうか。

「界隈ハック」のロジックや、それを動画として作り上げるまでのステップは、宣伝会議の「ショート動画・縦型動画プランニング力養成講座」の無料講座で話をしたが、本講座ではワークショップ付きで体系的に学ぶことができる。

この講座は、単発の「バズる」を目的としているのではない。「伝わる」ことで、そのブランドに「興味を持ってもらえる」ことを目指したショート動画作りの授業。時代背景を捉え、そこに合わせて企業の発信の方法を柔軟に変えていくこと。これこそが、愛されるブランドを作るためのショート動画のあるべき姿だと僕は考えている。ここまで長く読んでくれてありがTODAY。また、講座で会いましょう。

ショート動画・縦型動画プランニング力養成講座

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開講日 2026年7月27日(月)19:00~21:00
講義回数 全6回 ※隔週月曜開催
開催形式 教室(表参道)とオンラインを各回自由選択できるハイブリッド形式
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横山 昴

博報堂
CXアクティベーション局アクティベーションディレクター兼共創クリエイター/PEAK CBDO

プラットフォームと連携しQuickに効果的な動画を作り出す「.QuickMovie」を発足後、1,500本以上の動画を企画からPDCA運用まで担当。その経験から動画起点で逆上がりしテレビCM運用までを統合プラニングすることを得意とする。 そこから「横山だけど縦が得意」を合言葉に2021年にはTikTokとの国内初のクリエイティブチーム「TiQuick」を発足し、1年で日本企業初の認定クリエイティブteamへと成長させた。また、2024年に新設された「TikTok Creative Award」で審査員を務める。 同年からグループ会社PEAKの客員CSMO(Chief Short Movie Officer)を兼務し、ショート動画やクリエイターなどソーシャルコミュニティを強みにした「STEAMSTUDIO」の立ち上げに携わる。 1年前から明石ガクトさんと「FashionVictim」というPodcast番組をしています。

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