昨年度に引き続き、今年度も9月から「クリエイティブディレクション講座 藤平達之クラス」を開講させていただくことになりました。
個性を磨くクラスというよりは、いわば「基礎練」をするクラスです。広告会社のクリエイターでなくても実務に活用できる「クリエイティブな思考法の基本的な土台」を中心に扱います。
構成はほぼ昨年度と同様で、コンセプトやディレクションの中心を定める「定義」、それを表現や体験にする「実装」、そして創造的に仕事を進めるための「姿勢」の3部(全8コマ)になっています。
という “番宣” を背景に、今回も、「生成AI」の進化・浸透で、定義・実装・姿勢のあり方(=働き方)がどう変わったかを、生成AIを “中くらい” 使っている自分の実体験から考えてみたいと思います。第2回は、表現や体験などの「実装」における変化についてです。
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「AIを活用した○○」の賞味期限はいつまでか
生成AIによる表現やブランドの「スロップ化(一見よくできているが中身が薄く価値がないこと)」への危機感は、すでに各所で語られており、私自身も同じ懸念があります。
ただ、プロダクトやサービス開発に携わることが多い自分が、いまそれ以上に気になっているのは、「AIの新しさの賞味期限とその先」です。
これは、裏を返すと、スマホやSNSのように民主化するのはいつかということです。いま、ブランド体験で、「SNSを活用した」というアピールがされることはほぼありません。
しかし、AIはまだそうではなく、「AIを活用した○○」を打ち出す体験が急増しています。悪いことではないのですが、ここで個人的に思い出すのは「企業公式SNSアカウント」です。
「ブランド公式AIエージェント」は持続性がある体験か
さまざまなSNSがブームになった2010年代、各SNSで、多数の企業・ブランドの公式アカウントが生まれ、「中の人」という言葉も流行りました。
約10年が経ち、リソース・貢献度などさまざまな要因があると思いますが、公式SNSは下火になったように感じます。だからこそ、いま訪れつつある「(次は)企業・ブランド公式AIエージェントだ」という流れは、どこかあの頃のように感じられ、注意深く向き合わないといけないと思うわけです。
「企業AI」と会話できる体験は目新しく、短期的には流行るでしょう。ただし、中期的には淘汰が進み、「会話されないAI」がほとんどになる気がします。フォロー以上の行動が生じるため、数十のAIの使い分けが、(現時点では)少し面倒そうだからです。
公式SNSも然りですが、「ブランド体験を新しい手口で進化させる(ブランド>AI)」のではなく、「新しい手口にブランドを合わせにいく(AI>ブランド)」と先細るのではないかというのが、自分なりの仮説です。
「既存の体験をAI的にする」のではなく「AI時代の体験を描く」
レンタルビデオサービスからサブスク動画配信サービスへの変化は、「借りる」という手段の動詞ではなく、「好きなものを好きなだけ観たい」という欲求の動詞を進化させたから世の中に定着しました。
AI時代も同じで、大切なのは、手段の動詞以上に、生活者の欲求を示す動詞ではないでしょうか。そしてこの欲求こそが、AIによって大きく動いています。つまり、「AIで何をするか」ではなく「AI時代に人は何をしたくなるか」を考えたいのです。
「検索したい」気持ちは、「ベストを教えてほしい」気持ちへ。
「いいね!が欲しい」気持ちは、「私を分かってほしい」気持ちへ。
「トリセツが知りたい」気持ちは、「やっといてほしい」気持ちへ。
いまだ叶っていなかった、あるいは新たに自覚した欲求に対して、「ここにAIで何かできないかな?」と問いを立てる。それを体験として実装すれば、手段としてのAIをアピールしなくても、体験自体が新しく嬉しいものとして受け入れられる気がします。
体験は表現より領域が広いため、手段の動詞ありきになりやすく、SNS・アプリ・XR・AIなどその時々のトレンドが目立ちがちです。トレンドを拒絶しないことは大事ですが、忘れてはいけないのは「AI時代の生活者だからこその欲求に応える体験」を実装する視点。
講座の「実装」パートでお伝えするのは、そのためのいくつかの視点や方程式です。ということで、実装編はここまで。お読みいただいた方、本当にありがとうございました!
講座の開始に先駆けて、8月27日(木)に無料体験講座をオンライン配信します。ご希望の方は、ぜひこちらから参加申し込みをお願いします。
クリエイティブディレクション講座 藤平達之クラス 概要
| 開講日 | 2026年9月24日(木)19:00~21:00 |
| 講義回数 | 全8回 |
| 開催形式 | 教室(表参道)開催 |






