2026年8月5日~26日の18日間、第108回全国高等学校野球選手権大会が甲子園球場で開催された。
そして、試合に伴走するように8月5日から朝日新聞紙面で始まったのが、大塚製薬ポカリスエットの「それぞれのつば裏言葉」キャンペーンだ。
「つば裏言葉」とは、球児たちが野球帽のつばの裏に、それぞれの想いを文字にして書いた言葉。野球部で続く独自の文化に着目し、2025年夏に朝日新聞紙上で展開されたのが、大塚製薬 ポカリスエットの「つば裏言葉」キャンペーンだ。実際に球児たちが使用した「本物の野球帽」 を撮影し、大きな話題を集めた。本キャンペーンは、朝日広告賞最高賞、広告電通賞最高賞、新聞広告賞(広告主部門)を受賞している。
そして、今年も全国高等学校野球選手権大会の初日となる8月5日に、ポカリスエットは同紙の高校野球特集ページで広告展開を開始した。
今年は、それぞれのつば裏言葉の向こう側にある、球児たちの日々を描いている。「去年のつば裏言葉からさらに一歩進め、彼らが汗を流して積み重ねた時間も描こうと思いました。そこに、ポカリスエットの“人の可能性を信じる”姿勢を込めました。顔や姿は見えなくても、球児一人ひとりが本番まで歩んできた時間がリアルに感じられる。そんなパーソナルなエピソードがキャンペーン全体から伝わることを目指しました」(クリエイティブディレクター 橋本卓郎氏)という考えのもと、この企画を継続しながら進化させた。
ポカリスエットでは、かねてより朝日新聞の高校野球特集ページで全五段や突き出しなど広告を使ったコミュニケーションを展開している。
「通常、広告の仕事では、あらかじめ広告枠のサイズが決められていることがほとんどです。この仕事は朝日新聞さんと紙面の構成から一緒に考えることができる、非常に貴重な機会です」と、アートディレクター 柴谷麻以氏。
昨年は、帽子一つひとつをじっくり見てもらうために、それまで紙面上に一つだった広告枠を、小さな三つの枠に分割。野球好きなら誰もが知っている文化である「つば裏言葉」を集め、そのものをストレートに見せることで、球児たちが放つ熱量を伝える。実物が持つリアリティの強さを前面に出した表現だった。
「今年は、それぞれの場所で闘う球児、マネージャー、監督たちの熱量を、一つの景色として展開しています。見せたかったのは、なぜ、その言葉がそこに刻まれたのか。一つひとつの言葉が生まれるきっかけとなった背景や、彼らの関係性といった、目には見えないドラマまで表現したいと考えました」(柴谷氏)
デザインをする上で意識したのが、映画のように思い切って引いた構図にすること。空間の余白がもつ空気感や登場人物同士の関係性を余白が描き出すように、今回の紙面でも意図的に余白を設けている。また、帽子と帽子の物理的な距離が、その持ち主たちの心理的な距離にも見えるよう、配置を工夫したという。
また初日や決勝、掲載最終日には、新聞紙面だからこそできる見せ方を取り入れている。掲載最終日には、紙面の両端で決勝を終えた選手たちが互いに礼を交わしているように見える構成に。
新聞と並行して、3本のWeb ムービーも公開した。こちらは高校三年生に焦点をあてて、最後の夏の練習のワンシーンをつば裏言葉とともに描いている。
「去年は野球部全体をテーマに描きましたが、今年は一人ひとりのつば裏言葉に焦点を当てました。トスバッティング、バッテリーのキャッチボール、練習終わりの部室。それぞれのシチュエーションを、あえて球児たちの顔を見せないクローズアップしたアングルで撮影。一人ひとりのつば裏言葉から、球児たちの日々の姿や想いが伝わることを目指しました。練習の音、球児たちの声、そして試合の歓声、実況へと音を繋いでいくことで、球児たちが最後の夏に向かって走り抜けていくような構成になっています」(CMプランナー 辻中輝氏)
「最後の夏、自主トレ」篇
「最後の夏、バッテリー」篇
「最後の夏、日課チェック」篇

