テレビCMの広告枠をめぐって競い合うライバル局が、広告の「売り方」で共闘する。日本テレビ放送網、TBSテレビ、フジテレビジョンの3社は10月13日、テレビ広告取引の共通基盤を運営する新会社「アドリーチマックス」を設立すると発表した。2027年2月の事業開始を予定している。
背景にあるのは、インターネット広告の急成長と、広告主がテレビCMに求める役割の変化だ。広告の出稿から効果検証までを柔軟に行えるデジタル広告が存在感を増す中、テレビ広告も従来の仕組みを変える必要に迫られている。
なぜ、競合関係にある3社が共同で新会社を立ち上げるのか。その狙いを読み解く鍵は、日本テレビが2023年から進めてきた広告取引の改革にある。
「テレビ広告は扱いにくい」 日テレが進めてきた改革
新会社が運営するのは、日本テレビが開発してきたテレビ広告取引基盤「Ad Reach MAX(アドリーチマックス)プラットフォーム」だ。
従来、テレビCMの取引は、特定の番組のスポンサーとなる「タイム広告」や、指定した期間・時間帯などに放送する「スポット広告」が中心だった。一方、デジタル広告では、広告主がターゲットや予算を設定し、オンライン上で広告枠を購入したり、効果を確認したりする仕組みが普及している。
こうした違いを埋めるため、日本テレビは2023年6月に営業局内に「アドリーチマックス部」を設置。地上波テレビ広告にもデジタル広告の技術を取り入れる取り組みを進めてきた。
その一つが、広告枠をオンラインで購入できるサービス「スグリー」だ。地上波テレビ広告とTVer広告をオンラインで発注でき、広告の実績も確認できる。
また、外部の広告取引システムと接続する「AdRM-EXchange」では、CM放送の数秒前に広告枠の入札を行う仕組みを取り入れている。
2025年4月に運用を開始し、2026年9月時点で同プラットフォームを通じた取引実績のある広告主・広告会社は、合わせて約200社に拡大した。
