「メーカーは販売店にはかないません。生殺与奪権は常に販売店側にあります」――。スーパーやホームセンターなどの売り場では、類似商品を並べ、価格や性能の優劣を強調するPOPが珍しくない。消費者にとっては商品選びの参考になる一方、比較対象とされたメーカーにとっては複雑な思いもあるようだ。家庭用ポリ袋「アイラップ」を販売する岩谷マテリアルの公式Xが10月18日、競合商品の安さや同等性を強調する店頭POPに苦言を呈し、注目を集めた。
問題となったPOPでは、競合商品について「機能面もアイラップと同等」と説明しながら、1枚当たりの価格がアイラップより安いことを強調していた。同社はかつて類似品との価格競争によって、一部地域を除き全国の売り場から姿を消した歴史がある。今回の比較表示に何を思い、なぜSNSで問題提起したのか。同社のデジタルコミュニケーション部長、坂本英明氏に取材した。
売り場で見られる比較POPのイメージ(AIで生成)
競合商品は「約1.4円」、アイラップは「約2.6円」
発端となったのは、10月18日にXユーザーが投稿した、ホームセンターの売り場とみられる写真。「このホムセン、アイラップ売りたくないんかな?」と疑問を投げかけた。
写真に写っている店頭POPでは、「湯煎調理もできる袋」と紹介された商品について、1枚当たり「約1.4円」と表示。一方、比較対象の「アイラップ」は1枚当たり「約2.6円」と記載していた。
さらに、安価な商品の説明には「袋サイズ・マチ・機能面もアイラップと同等!!」と強調する文言も添えられていた。価格は、いずれも2026年4月時点の「当社通常価格」を基に算出したという。
投稿者は「比較されるのは優れた商品の宿命なのか」としつつ、こうした競争によって価格や品質が磨かれることは、消費者にとってメリットになるのではないかとも問いかけた。
競争があるのは良い事かと思います。
でもこういうやり方は…🫠メーカーは販売店にはかないません。
生殺与奪権は常に販売店側にあります。ちなみに性能は同等ではありません。
同じ事が40年前にも行われて
アイラップは全国から消えました。そういった意味では
消費者への不利益に繋がります。— アイラップ【公式】 (@i_wrap_official) October 18, 2026
この投稿に対し、アイラップ公式Xは「競争があるのは良い事かと思います。でもこういうやり方は…」と反応。「メーカーは販売店にはかないません。生殺与奪権は常に販売店側にあります」と訴えた。
さらに、「ちなみに性能は同等ではありません」と反論。「同じ事が40年前にも行われてアイラップは全国から消えました。そういった意味では消費者への不利益に繋がります」と、過去の経験にも言及した。
「販売店や他社商品を批判する意図はない」
