福岡銘菓「チロリアン」がなくなってしまうのか。老舗菓子メーカー「千鳥屋本家」(福岡県飯塚市)が破産手続きに移行する見通しとなったことを受け、SNSでは商品の販売継続を心配する声が上がっている。しかし、現在「チロリアン」を販売する「千鳥饅頭総本舗」(福岡市)は別会社で、今回の経営破綻による影響はない。
千鳥饅頭総本舗の「チロリアン」
千鳥饅頭総本舗は10月29日、公式サイトで「昨日一部報道にございます株式会社千鳥屋本家様の件について、弊社、株式会社千鳥饅頭総本舗とは無関係であることをお知らせいたします」と発表。「弊社は本日も愛情のこもったお菓子を作り続けております」として、消費者に安心を呼びかけた。
実は、こうした説明は今回が初めてではない。千鳥屋本家が民事再生法の適用を申請した際にも、千鳥饅頭総本舗は3月2日に同様のお知らせを掲載していた。わずか約8カ月の間に、別会社の経営問題について2度にわたって説明する事態となっている。
千鳥屋本家とグループ3社は、10月13日付で福岡地裁から民事再生手続きの廃止決定と保全管理命令を受けた。東京商工リサーチによると、4社合計の負債総額は約22億7260万円。2月27日に民事再生法の適用を申請し、親族経営の別会社による支援を受けて再建を目指していたが、権利関係の複雑さなどから事業継続が困難になったという。
10月29日に千鳥饅頭総本舗がWebサイトで発表したお知らせ
なぜ混同される? 実は4つに分かれた「千鳥屋」
混乱の背景には、長い歴史を持つ「千鳥屋」の複雑な企業構造がある。
ルーツは1630年、佐賀県で開業した菓子店「松月堂」にさかのぼる。1927年には福岡県飯塚市に「千鳥屋」を開店。その後、1973年ののれん分けによって、福岡市の「千鳥饅頭総本舗」、飯塚市の「千鳥屋本家」、兵庫県の「千鳥屋宗家」、東京都の「千鳥屋」という4つの系統に分かれた。

