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コラム

HOTに行こうぜ!ワンパクの考えるオウンドメディアの未来

ワークショップ実施前にクライアントと交わす 7つの約束(その3)

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Futuresync
abe

福岡のFuturesyncで講演してきました。

皆さん、毎日楽しくHOTに過ごしていますか?僕は先週末、福岡の九州産業大学で開催された「Futuresync vol.3」というイベントにゲストとして登壇させて頂きました。お話した内容はコラムで書いているワークショップやプロセスデザインだったのですが、何より一番印象に残ったことは運営している方々、学生さん達や若いデザイナーやエンジニアの方達の熱量でした。福岡市は人口比率的にも29歳までの人口が多く大学が多い都市ではあるのですが、若い方々が目をキラキラさせながら、登壇した方々やイベントに参加した人同士で様々なことに興味を持って、前のめりに交流している姿に僕自身もとても元気をもらうことができました。参加者の皆さん本当にありがとうございました。ちなみにFuturesyncは来年も開催されるようですので、ご興味のある方はぜひ!

さて、今週は”ワークショップ型のディスカッションにおける7つの約束”の最後の2つについてお話していきます。


 ・7つの約束(その1)はこちら
 ・7つの約束(その2)はこちら

6.メンバーが発言しやすいようにプロジェクトマネージャーやリーダーはファシリテートする。

従来の会議体のように、社内の誰かがテーマを持って発言し、それに対して意見のある人(声のでかい人)だけ話す、誰かが板書や議事録を取ってくれて、最終的にはメールでそれが回ってくるようなスタイルに慣れてしまっていると、発言する人が毎回同じであったり、どうせ自分が意見を言っても仕方が無い、会議自体が時間の無駄と感じてしまい、能動的なスタンスを取れないメンバーがいるのではないでしょうか?

実際にワンパクでお手伝いするプロジェクトの中でも”発言すること自体に慣れていない”方が多いと感じる機会があります。もちろん、そもそもの企業文化や暗黙のルールなどで”結果そうなってしまった”ということもあるかもしれません。

ワークショップ型ディスカッションの場合は、プロジェクトメンバー全員が”前のめり”になり”熱意”と”覚悟”をもってコミットし、”プロジェクト”を成功に導くためにも、プロジェクトマネージャーやリーダーは、メンバーから能動的で建設的な意見を引き出していかなければなりません。

そのためにもワークショップの場の”雰囲気”づくりと”メンバーの反応を見逃さない”ことがとても重要です。

ワークショップの場は、毎回楽しくアクティブでメンバーが参加すること自体に意義を感じなければなりません。場がギスギスしまったり、ネガティブな意見に引っ張られてしまうことのないように、プロジェクトマネージャーやリーダーはポジティブな方向に話が触れるように努め、誘導していかなければなりません。

例えば、誰か一人が集中的に話し始め、ネガティブ話題が続いた時などは、タイミングを見計らい「□□くんの言うような意見もあるけど、視点を変えて○○さんはそのことについてどう思いますか?」など、”話を切り返す”のが有効です。

また、参加メンバーの”反応を見ておく”ことも大切です。誰かが意見を発している時に、頷いているのか、表情などを変えていないか、首をかしげていないかなど、俯瞰してその場を見ながら、ファシリテートしていきましょう。

7.ドキュメントを作成するのが目的ではなく、要件の合意を形成するのが目的である

これは以前お話した、提案-戻し型の従来のプロジェクトや6項の従来の会議体に慣れてしまっている場合に、目的がドキュメントを作成することになってしまっているケースがあります。

プロジェクトの中で戦略・施策・要件を決め中で、本来の目的はドキュメントを作成することではなく、プロジェクトメンバーでのディスカッションを重ねた上で”合意を形成”することです(もちろん納品物として合意形成した結果を終成果物としてまとめることが必要な場合もあります)。

毎回のディスカッションごとの合意内容(=途中成果物)に関しては、ディスカッションで使用したツールやメソッド(大判の紙にポストイットなどを貼って議論したもの)を写真で共有するなど、極力シンプルなかたちで共有した上で、次のディスカッションテーマに臨んでいく流れが良いと考えています。

また、未だに長々とした議事録を付けている会議体も存在しているかもしれませんが、議事録の場合だと、どこに何が書いてあって、誰が担当だったのかがなどが、プロジェクトの日が進むに連れて追いきれなくなり、議事録をつけること自体が形骸化していくこともあります。

ワークショップ型ディスカッションではプロジェクトが進む中での”課題””タスク””担当””期限”を明確にし、これらをBacklogなどのクラウドツールなどを活用して管理、進行していきます。

もちろんエクセルなどでも課題やタスク管理もできますが、合意した経緯や途中成果物の写真などは、このようなツールを使えば効率的に管理していけるためおすすめです。また、課題管理に限らず、プロジェクトスタイルに合わせたツールを導入していくことで、プロジェクトの中のストレスや曖昧さを排除していくことにつながっていきます。

ここまでお話した”7つの約束”、みなさんにはどのように受け取って頂けましたか?既に実際のプロジェクトの中でできていること、必要だと感じているけど、まだまだできていないなど、各々であると思いますが、もし少しずつでも取り入れたら有効と思われるものがあれば、ぜひ実践してみてください。そして自分たちなりのプロジェクトスタイルや約束をつくっていってもらえればと思います。

さて、この連載も残すところあと2回になりました。残りの回では、ワークショップ型のディスカッションスタイルでプロジェクトを体験してきた現場の意見として、ワンパクスタッフやクライアントのからの意見や感想を掲載していければと思います。お楽しみに!