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コラム

HOTに行こうぜ!ワンパクの考えるオウンドメディアの未来

ワークショップ実施前にクライアントと交わす 7つの約束

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Minami_Sanriku

GWは東北に来ています。皆さんもぜひ一度。

皆さん、GWいかがお過ごしですか? アドタイの連載はお休み無しということで、この原稿はまさにGWの最中に書いています。月曜日の夜に東京を出発し、火・水の2日間で”あまちゃん”の舞台である北三陸から気仙沼までを回りながら、東北の沿岸部の状況を見に来ています。震災の傷跡は所々まだ残っており、復興への道はまだまだ続いているものの、春(こっちはまだ桜が咲いているシーズン)の海はとても穏やかで、美しくキラキラしています。皆さん、夏休みの観光でも良いので、ぜひ東北に足を運んで今の東北沿岸部を自分の目でみて下さい。それだけでも十分被災地支援になりますので。

さて、前回のコラムではプロジェクトチームとしての意識を高め、戦略・施策、要件定義などで意思決定をスムーズに行うために、ワンパクがこれまで行ってきたワークショップ型のディスカッションが有効であることをお話しました。

今回はそれを実際に行っていく上での7つの約束事のうち、前編として最初の3つについてお話していきます。なお、実際のプロジェクトの中では企業側のリテラシーやモチベーションによってこの7つの約束事以外も設定することもあります。そちらは他の4つと共に中編・後編でご紹介できればと思います。

1.プロジェクトはメンバー全員のコミットと責任が必要という意識を持つ

これは、これまでの話の中でもずいぶん説いてきましたが、オウンドメディアを進化させていくには、プロジェクトメンバーが一体となり、覚悟と熱意を持って取り組まなければ成功しないというマインドセットを最初の段階で共有するということです。

そのためにワンパクでは、プロジェクトのスタート前からプロジェクトオーナーやプロジェクトマネージャと共に、プロジェクトのコアメンバーに対して、プロジェクトの目的やゴール、ワークショップ型ディスカッションでの進め方などを丁寧に説明し、これまでのプロジェクトと同じものではなく、その企業の中で先進的なプロジェクトの事例としての取り組みであることなどを説明します。その上でプロジェクト計画書を作成し、全メンバーにも同様な説明を丁寧に行うことを心がけています。

またワンパクとしてもプロジェクトを進める同志として、深くコミットすることを約束すると共に、最大限プロジェクトマネージャーやメンバーをサポートしていくことを誠心誠意お伝えします。

2.重要な意志決定のワークショップでは意志決定者の出席必須

これは大きく3つのやり方があります。しかしながらプロジェクトが始まる前の段階でどの方針で進めるかは決めておかなければなりません。

1つめは基本的にはプロジェクトマネージャーが意思決定の権限を持つというやり方です。毎回のワークショップはプロジェクトマネージャーは出席していますので、ディスカッションした結果の意思決定はスムーズに進みます。その上で意思決定した内容はプロジェクトのオーナー(担当役員など)などへ報告・連絡・相談するというかたちです。一番はこのやり方が理想ですが、当然ながらプロジェクトマネージャーを中心にメンバーにも責任も結果も求められます。

2つめはプロジェクトマネージャーやコアメンバーで決定する要所要所のタイミングでプロジェクトオーナー(担当役員など)にも参加してディスカッションを行うというやり方です。このやり方の場合、まずはそこまで至ったプロセスをプロジェクトメンバーでプロジェクトオーナー(担当役員など)に説明を行う必要があります。その上で何を決めなければならないかを明確にし、意思決定のディスカッションに加わってもらいます。このやり方の場合はプロジェクトオーナー(担当役員など)がワークショップに慣れていない可能性が高いためファシリテートが鍵となり、プロジェクトマネージャーの力量が求められます(そういったケースの場合でもワンパクではサポートしています)。

3つめはプロジェクトオーナー(担当役員など)がプロジェクトマネージャーを兼務し、毎回のディスカッションに参加するというやり方です。この場合は定例でのワークショップの時間を確保できるかが最大のポイントとなります。またプロジェクメンバーが萎縮せずにディスカッションに加われるかも大切なポイントです。

これまでの経験的には一番多いのは2つめ、次に1つめのやり方が多いです。しかしながらこれは企業体質やプロジェクト自体の位置づけによっても変わってきますので、一概にどれが良いとは言い切れません。

3.事前にアジェンダを提出し、何をどのように決めるのかを明確にしておく

当たり前のことですが意外にこれができていない企業が多いと感じることが多いです。また参加しているにもかかわらず、ミーティング中に何も発言せずに終わってしまうメンバーがいることなども多々あるのではないでしょうか?

このようなことが無いように、まずはプロジェクトの最初の段階で毎回のワークショップで行うディスカッション内容を大枠で決め、WBS(Work Breakdown Structure)やガントチャート(次回詳細説明します)の中に落とし込んでメンバーに共有しておきます。もちろん進めていく中で、変わってくる部分も出てくることもありますが、事前に何をどのように決定していくかのプロセスを示すことが大切です。

さらに毎回のワークショップでのディスカッション終了時には、次回のディスカッションを日程と内容を必ず共有し、各々でやらなければならないタスクや考えておくべき内容(宿題)があれば全メンバーと確認をします。

そしてワークショップ前日には、プロジェクトマネージャーは必ず、メールなどでディスカッション日程と内容、タスクや宿題などをフォローするようにします。

これを繰り返し行うことで、メンバーにはプロセスそのものを考える力やディスカッションするために考える力、説明する力などが培われていきます。

さて、今回は前編として7つのうちの最初の3つの約束についてお話しました。このワークショップ型のディスカッションは、戦略・施策策定、要件定義など全てのフェーズでの取り入れていくのが理想的ですが、当然ながら最初から全ての段階で取り入れていくのはハードルが高く、難しいということもあるかと思います。

その場合はどこか一部、例えば要件定義のサイトの構造を決めるディスカッションや、画面要素や構成を決めるためのペーパープロトタイプなどを用いたディスカッションなど、今一番自分たちが手戻りの多いと感じている部分に取り入れてみるのが、現実的かもしれません。

そしてその効果を企業側、パートナーであるエージェンシー、プロダクション、デベロッパーなど、皆が実感できたのであれば、少しずつ拡大していくようにしましょう!

【阿部淳也「HOTに行こうぜ!ワンパクの考えるオウンドメディアの未来」バックナンバー】