7月2日、ACジャパンの新広告キャンペーンの発表会が国連大学で開催された。今度の国連WFPの「学校給食プログラム」のタイトルは『給食でエベレスト』。2013年7月1日から2014年6月30日までの1年間、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌や交通広告を通じて全国展開される。
新広告では、「学校給食プログラム」支援を受けて育ち、17歳でエベレスト登頂を果たしたネパール人登山家のニムドマ・シェルパさんが登場する。新広告の発表会に登場したシェルパさんは、「村は貧しく、家畜の餌のようなものを食べて飢えをしのぐこともあったが、学校給食があったおかげでしっかり食べて学ぶことができた。学校給食は甘くておいしくて、学校に行くのが楽しみだった」と自らの体験を語った。
子どもたちと一緒に学校給食を味わうニムドマ・シェルパさん。(c)Mayumi.R
そんなシェルパさんは、お兄さんの支援を受けてネパールの首都、カトマンズの高校まで進学することができた。そして、エベレスト登頂を目指す女性登山家の募集に応募。それまで登山の経験はなかったが、厳しい訓練を乗り越えてエベレスト登頂を成し遂げた。
「頂上に着いたときは信じられない気持ち。いままでの辛いこともすべて忘れる体験でした。下山してからこれまで国中の小学校をまわって、願いはきっと叶うということを伝えています。ネパールではまだまだ女性は男性より下に見られています。でも、エベレストの登頂を成し遂げたことで、女性でも夢を実現できることを訴えていきたいと思います」
シェルパさんは、現在7人の女性登山家のグループと世界7大陸の最高峰を目指しており、すでに4つを制覇。2015年までにすべての最高峰に登頂し、その後は社会福祉活動に携わりたいといまからビジョンを持って取り組んでいる。
これまで、国連WFPの「学校給食プログラム」広告では、オフィシャルサポーターの知花くららさんや冨永愛さんが登場しており、途上国で支援を受けて育った人が登場するのは初めて。ACジャパンと国連WFP は新広告を通じて多くの人に途上国の現状や国連WFPの支援活動を知ってもらうことを目指す。現在、国連WFPでは、昨年12月に巨大台風に襲われて大きな被害を受けたフィリピンでの支援活動に力を入れており、発表会では、4月に現地を訪れた国連WFP 協会会長・安藤宏基氏や現地スタッフによる、現地の状況と支援活動の報告が行われた。
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