インタラクティブマーケティングの新潮流や最新ツールを紹介する「宣伝会議インターネットフォーラム」。6月5日の東京会場に加え、7月3日は大阪の注目スポット「グランフロント大阪」で開かれました。地元本社の企業も含めた全13の講演が行われ、多くの来場を集めました。本欄ではその中から3つの講演をご紹介します。
登壇者 : 田村 考(ユー・エス・ジェイ/マーケティング部 デジタルマーケティング マネージャー)
口コミの目的はブランド体験の共有

田村 考氏(ユー・エス・ジェイ)
デジタルマーケティングのマネージャーに就任した2012年4月、「ソーシャルメディアはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のビジネスに明確な効果を与えているのか」という課題がありました。
遡りますが、弊社では2010年の新アトラクションオープンにあたり、Buzz型口コミプロモーションとしてAKB48とオンラインでジャンケン勝負ができるスペシャルサイトを立ち上げました。総ジャンケン回数は400万回。一過性の話題作りとしては成功と言えますが、社内の人間も翌月には忘れているほどプロモーションとは短命です。しかも肝心のUSJや新アトラクションの口コミですらない。口コミが「ブランド体験の共有」や「メディア情報の反響」だと定義づけるなら、これは口コミにはならなかった、というのが結論でした。
ユーザー起点で100万人規模に
口コミを成功させるにはマス規模での展開が必要です。そこで当時の主だったソーシャルメディアすべてに公式アカウントを持つことにしました。複数展開によるブレを防ぐため、コンセプト「We are Universal Studio Japan」を用意し、オフィシャルサイトの中には具体的な情報を発信するパークコンシェルジュや各キャラクターという「点」を増やす工夫もしました。そして開園10周年にあたる2011年3月に各ソーシャルメディアでの公式アカウント開設を完了しました。