【前回コラム】「ヴィレヴァンの「俺たちの土俵」はどこにある?」はこちら
こんにちは、ヴィレッジヴァンガードの関戸です。前回のコラムで、大きな波を起こそうと大手に対抗したわけでもなく、かといって、啓蒙主義的なマニアックな専門店を志向したわけでもないというお話をさせていただきました。
今回もまた、前回の続編のようなイメージで、名古屋の片隅で始めた謎のお店が、なぜここまで拡大してこれたのか、その辺のお話をさせていただきたいと思います。
本と雑貨を置いたから?スタッフのセンス?知識量?なんか違う気がします。ごく一部の専門家の方々がヴィレヴァンについて、難易度の高い高尚な分析をされていますが、私からは肩の力を抜いたかたちで、私なりの見解をお届けしたいと思います。どうぞ、仕事の気分転換程度に、缶コーヒーでも飲みながら読んでいただけたら幸いです。
「ヴィレヴァン」の自由すぎる仕入れ術
ヴィレヴァンでは、仕入れはすべて店舗の人間が行う。本部は一切タッチしない。なので、多店舗展開しているが、誰がどこで何を仕入れているのか、お互いよく知らない。
いちおう、本部で契約している会社様から仕入れるのが基本なのだが、契約している数が尋常じゃないので、仕入れする側からしてみれば、ほぼ選びたい放題だ。
そんな恵まれた環境にも関わらず、重箱の隅をつつけば、まだまだ面白いものが出てくるのではないかと好奇心旺盛な店長たちは、店単位で独自の仕入れルートも開拓していた。
社内でも目利きで知られるGさんなんかは、「地方の質屋はヤバいよ、めちゃめちゃイイモノあるから」なんてスゴ技を編み出していた。確かに彼の店に遊びに行くと、どこで仕入れたんだと思われるようなものがいっぱいあって、しまいには、「これは私物です」と書いた本なんかも陳列されていて、もう店と言う枠から片足とびだしているような品揃えで、ピュアすぎる店長の姿勢に自然と顔がほころんだ。
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