おしゃれな『ぷれぜんと』を探しているなら、コ・チ・ラ
店に入ってすぐの場所で、「おしゃれな『ぷれぜんと』を探しているなら、コ・チ・ラ」っていうフェアを当時打ちだした。もちろん、「オシャレ」な商品など一切なく、大きなテーブルに、先述の「しゃくらい君」を中心に、さまざまな「パンチの利いた商品」を一堂に結集した。
先述のおもちゃ問屋で買ってきた商品たちや、なぜか店内にあった源義経の人形やら、リアルな「イカ」のぬいぐるみやら、何でもありで、まさにカオス。本だったら、ちょっと相撲をはじめたくなった人のための「はじめての大相撲」や、お父さんが子供にダジャレばかり言うパソコンを買ってくるというストーリーの「元祖ダジャレパソコン・パソ吉だじゃれんぱつ」などを置いたりもしていた。
「買うひと、いるんか?」と思われるかもしれないが、これがなかなか好評だった。ほとんどのひとが、「プレゼント用に包んでください」と、にやにやしながらレジで伝えてくる。こちらも、プレゼントをもらった人の残念な顔を思い浮かべながら、にやにやしながら丁寧にラッピングさせていただいた。
そんな中でも、「イカ」のぬいぐるみだけは、なかなか売れず、売場に張りついていたのだが、ある日、そいつも売れてなくなった。長い間、時間をともにした「イカ」くん旅立ちの瞬間に立ち会えなかった私は、スタッフに、どんなお客さまが釣り上げたのか聞いてみた。
「あのイカ、売れたの??」
「売れました」
「売れたんだ!プレゼント用で??」
「いいえ、ご自宅用です」
「えっ、どんな人??」
「酔っぱらったおじさんでした」
「まじで!スルメに見えたんかな」
「たぶん好きなんですよ、イカ」
「まくらにでもして、いい夢見てほしいわあ」
こんな感じで、東京の店舗にて店長をやっていた頃、お客様と楽しみながら、ちょっとダサいフェアを次々と打ち出していた。このダサさが話題を呼んだのか、いつのまにか客数は拡大し、お客様とお店の一体感をひしひしと感じる店に成長していった。
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