グラフィック、映像制作、インスタレーションや空間デザイン、サウンドデザインなどの幅広い分野で、メンバーの多様な個性や得意分野を再構築しながら創造性と独創性にあふれた作品を生み出し続けているTYMOTE(ティモテ)。海外からも注目を集め、今では国内外からオファーが舞い込む。彼らと仕事経験のある電通アートディレクターのえぐちりかさん、イベント&スペース・デザイン局の藤田卓也さんが、TYMOTEから村井智、森田仁志、山口崇洋の3氏を迎え、そのクリエイティブワークの発想、手法に迫るトークショーをお届けする。
美大生仲間が集まって立ち上げたクリエイティブチーム
えぐち:
昨年末に、CMのお仕事でご一緒させていただいたのが、TYMOTEとの出会いです。制作会社の方が紹介してくださったのがきっかけでした。時間的にも予算的も厳しかったにもかかわらず、とても完成度の高い映像を仕上げてくださって。軽やかにひょうひょうと素敵なお仕事を生み出されている印象ですが、実際どうものづくりをされているのでしょうか? 今日は色々とおうかがいできればと思います。
藤田:
手触り感やぬくもり、エモーションが僕の好きなTYMOTEらしさです。作風の幅が広いのに、どの作品からも共通して感じます。そんなTMOTEの魅力と謎に、今日は迫りたいと思います。
村井:
TYMOTEは1980年代生まれのメンバーが、学生時代に立ち上げたクリエイティブチームで、現在9人です。2007年に横浜赤レンガ倉庫で行われた展示会「The SIX」のために、多摩美術大学、武蔵野美術大学、桑沢デザイン研究所などから仲間たちが集まって、初めて「TYMOTE」として作品を作りました。基本的には“グラフィック好きの美大卒が作った会社”ですが、映像から空間、グラフィック、サウンドデザインまで何でもしますし、それが強みになっています。


