藤田:僕がTYMOTEとご一緒したのは、日清食品グループの技術・開発・研究拠点である「the WAVE」のための説明ムービーの仕事です。研究開発についての説明や、開発者へのインタビューといったコンテンツを、少しでもかわいらしくしたいと思ってお願いしました。15分ぐらいの長尺映像ですが、TYMOTEらしいテイストで、子どもでも最後まで見てもらえるムービーになりました。
森田:このときは、話の流れは脚本家に作っていただき、アニメーション部分と音楽を僕らが担当しました。キャラクターアニメーションの経験もなかったのでチャレンジでしたが、その分かなりの経験値を積ませていただきました。
えぐち:特に気に入っている仕事を挙げるなら何ですか?
村井:「MTV81」ですね。それぞれの当時のマイブームがいい具合に出ていて。
森田:日本のカルチャーを海外に紹介するウェブムービーのオープニングとエンディングを担当して、浮世絵の要素を抽出したグラフィックを作ったんです。
藤田:先ほどのイッセイミヤケのお仕事でも感じましたが、TYMOTEには和のイメージがありますね。
村井:それは意識したことはなかったですね。和といえば2013年に行われた伊勢神宮の式年遷宮で、海外から訪れた人向けに神道について伝える小冊子「SOUL of JAPAN」を制作する仕事もしました。ある日突然、神社本庁の方から連絡があって始まった仕事ですが、ウェブから200万ダウンロードもされたそうで、驚きました。
えぐち:映像の音は一人で作っているんですか? どんな経緯でグラフィックデザインから音の方面に?
村井:僕が一人で作っています。映像もグラフィックも複数やれる人間がいるので、そこを引っかき回すより、違うことをしようと。音楽だと、両方とうまくつながったんです。
えぐち:グラフィックのトーンが違っても、共通するTYMOTEらしさがあるのは、毎回同じ人が音を作っているからかもしれないですね。
森田:そうですね。それから、何かお話をいただいたとき、こういう感じにするのがいいよね、と選ぶ感覚が僕らは似ています。
村井:個々人が自分の考えや好みはありつつ、TYMOTEという架空の存在が何を作るかに皆が気を使っている感じはありますね。空気をすごく読むというか(笑)。
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