社内外のクリエイター、テクノロジロスト、アーティストの協働の場に
これまでの広告制作プロセスから脱却し、テクノロジー起点の発想で新たな表現の研究・企画・開発に取り組む——そんな新領域のクリエーションを掲げて設立された「Dentsu Lab Tokyo」。その専用スタジオが、電通本社ビル内にオープンした。同ラボの設立が発表されたのは1年あまり前。その後も電通 CDC内のバーチャルな組織として存在してきたが、10月1日付で電通 菅野薫氏が同ラボの代表となり、正式な所属メンバーを擁する正式な組織になるのに伴い専用スタジオが設置され、本格稼働をはじめる。
同ラボメンバーには、ホンダ インターナビのプロジェクトのチームメンバーを中心に、電通社内よりプログラミング、デザイン、映像制作をバックグラウンドに持つ専任スタッフやプロデューサーが10名程度所属する。また、CDCから古川裕也氏、佐々木康晴氏、岸勇希氏が兼任する。社外からも客員ディレクターや、リサーチフェローを迎え、プロジェクトごとにエンジニア、プログラマー、メディアアーティスト、サウンドアーティストなどをフレキシブルにアサインしていくという。
専用スタジオはカレッタ汐留の地下2階に設けられた。撮影スタジオやプロジェクター、プロトタイピングのための専用機材が設置されており、研究開発の拠点として活用される。
代表の菅野氏は「“考えながら創り、創りながら考える”がこのラボのスタイルです。通常、広告はコンセプトをかっちり固めてから制作のフェーズに移ります。しかし、ことテクノロジーに関して言えば、制作現場に近いところの方がアイデアを持っている。ここは納品物を作るための場ではなく、考えるために皆で手を動かす場、手を動かしながらアイデアを生んでいける場です。外部の人にもオープンな場にしたかったので、本社ビルの下にあるカレッタ汐留の地下2階(編集部注:地下2階は電通オフィスの外)というロケーションを選びました」と話す。
“創りながら考える”スタイル自体は、これまでも菅野氏が自身の仕事の中で実践してきたやり方だ。同ラボを通じて、菅野氏は「電通という大きな組織に対して、これまでと違う、表現のつくり方、プロジェクトの生み出し方、世の中と関わる方法論を接続させたい。個人的にやってきた新しい戦い方を、社内の人たちとシェアしたい」という。
専用スタジオは所属員の研究開発の拠点だけでなく、海外から招聘したアーティストのレジデンスとして提供したり、若手向けワークショップやスクールの実施の拠点にするなど、様々な活用を見込んでいる。「ここを電通の『出島』のような場所にしたいと考えているんです。外部のクリエイターやアーティストたちを呼んできて、交流したり、社内の人たちと知見やネットワークをシェアしたり、一緒に新しいものを生み出したり。柔軟に外の才能と触れ合うことを電通という大きな会社で行うことがダイナミズムがあるし、チャレンジだと思っています」。
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