世界の面白プロモーションに見る 人を動かすアイデア7選 Vol.05

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株式会社宣伝会議は、月刊『宣伝会議』60周年を記念し、2014年11月にマーケティングの専門誌『100万社のマーケティング』を刊行しました。「デジタル時代の企業と消費者、そして社会の新しい関係づくりを考える」をコンセプトに、理論とケースの2つの柱で企業の規模に関わらず、取り入れられるマーケティング実践の方法論を紹介していく専門誌です。記事の一部は、「アドタイ」でも紹介していきます。
第5号(2015年11月27日発売)が好評発売中です!詳しくは、本誌をご覧ください。

【前回】「世界の面白プロモーションに見る 人を動かすアイデア7選 Vol.04」はこちら

世界を見渡すと、日本ではあまり見られないような驚きのアイデアで人の心を掴み、行動を喚起したプロモーションが数多くあります。マス広告を打たなくても、人は集まる、モノは動く。そんな事例を紹介します。

01 YouTubeにそんな機能があったとは!
グロールシュ「The Grolsch Synthesizer」(ルーマニア)

カンヌ国際クリエイティビティ・フェスティバル2015のフィルム部門でグランプリを受賞した米保険会社・ガイコの「Unskippable」は、YouTubeのプレロール用につくられた動画広告で、「広告をスキップしたい」というユーザーの心理を逆手に取ったユニークなものだった。

一方、オランダのビールメーカー・Grolsh(グロールシュ)が制作したのは、「YouTubeでの動画視聴時、キーボードで1~9までの数字を押すと、映像の10~90%の位置にショートカットすることができる」という、YouTubeのごく基本的な機能を生かしたものだ。動画を再生すると、グロールシュのボトルが10本並んでいる。それぞれのボトルには映像内の位置に応じて音階があてがわれていて、キーボードを叩くと音が鳴る。

音を組み合わせれば、音楽を奏でることも可能だ。まさに、「キーボードで弾くシンセサイザー」。誰にとっても簡単な操作と、キーボードを押すと音が鳴るというわかりやすいインタラクションが、ユーザーの参加を促し、ブランドの楽しげなイメージを効果的に伝えることにつながった。

02 どうしても、シートベルトを「締めたくなる」!?
フィアット「Safety Wi-Fi」(ブラジル)

日本では、運転席や助手席はもちろんのこと、後部座席に座っている人もシートベルトを締めることが義務化されている。努力義務とされている国でも、シートベルトを締めたほうが良い、安全であるということはもちろん周知の事実だ。シートベルトを着用することで、後部座席における交通死亡事故のリスクは75%も低減できる。とは言え、つい締めるのを怠っている人もいるに違いない。ブラジルではほとんどの人が、後部座席では着用していないという。

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