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都知事選に見る「量」と「質」
この連載は、毎月一本のペースで書いてきたのですが、今月は宣伝会議から私の新著が1日に発売されたので早めに書けと言われて8月8日に配信しました。それなのにお盆が明けたら「もう一本書いてもいいですよ」と言うんですよ。「いいですよ」ってのは、お前の本が出たんだからもう一本ぐらい書けよ、という意味なんでしょうか。まあ私としても本のこと皆さんに知ってもらいたいので、ええ、ええ、書きますよ、書きますとも。
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というわけで本題に入りますと、コミュニケーションはいまや、量の時代じゃない。そんなことがもう何年も前から言われてきました。テレビCMをがんがん打つより、ネットで人びとと関係を密につくるほうが大事だとかなんとか。でも実際どうでしょう?なんか理屈先行で、そうなっているような、なってないような。あるいは、一部では成立する話でも、メジャーな商品や大きな企業では成立しないんじゃないか。そんなことも言われていた気がします。
ところが、このところ立て続けに、大型商品のコミュニケーションで「量」より「質」が効力を発揮したと言えそうな事例が出てきました。
まずその最たる例が、都知事選での小池百合子氏の大勝利です。皆さんご記憶の通り、当初は鳥越俊太郎氏が有利に見えたのが、実際には小池氏の圧勝でした。
