莫大な予算をかけず、アイデアひとつで
世界中に爆発的な話題をつくるポテンシャルを秘めた“バズマーケティング”。
何億人という人に存在を知ってもらったり、
ブランドのイメージを一新したり、
強い絆をつくったり。
アイスバケツチャレンジのように、
世界の認識を一変することも。
しかし、そんな手法に目をつけたたくさんの人が模索し、
実践してきた結果、こんな声も上がっています。
「バズった結果、何になるのか?」
「結局売り上げは全然のびない。」
「結局バズったって、騒いでるのは業界の人間だけ。」
「バズるかどうかは運任せ。」
僕自身、様々なバズの創出にチャレンジしてきた中で、
同じことを感じたのも事実です。
では、この「バズマーケティング」は、ただの流行にすぎないのか。
それとも、マーケティングモデルを根本的に変えるものになるのか。
僕は、後者だと思います。
呼び名は変われど、この「バズ」と呼ばれるものの位置付けはますます重要になってくると。
その理由は、バズの正体が、“新たな手法の誕生”ではなく、
“「人」というメディアの台頭”だからです。
「人」をメディアとして理解する
マスコミュニケーションの歴史を紐解けば、
数世紀前に誕生した新聞、雑誌。
100年程前に始まったラジオ、テレビ放送。
20年前に一般化したインターネット。
その登場は、マーケティングモデルを一新させました。
しかしこの10年で、そんなマスメディアと並ぶ力を持ったのが、「人」というメディアです。
インターネットが生み出した様々なツールが、「人」の発信力を飛躍的に高め、「人」自身をメディア化しました。
その発信力を高めた最大の功労者である“ソーシャルメディア”それ自体は、移ろいが激しく、流行り廃りで語られてしまう部分がよくありますが、発信力の高まった「人」という存在、および、情報共有の根本にある、「人」の“承認欲求”は不変です。
僕たちは、バズというものが流行りなのかどうかを語る前に、この「人」というメディアを、メディアとして正しく理解し、活用できているのかどうか、を考える必要があります。
「人」というメディアは異質です。
そのリーチ力は数十人から数百人まで様々。
基本、お金で買うことはできず、コントロールが非常に難しい一方で、
信頼性が非常に高いという特徴があります。
“素材形式”も特殊です。
テレビで言えば、映像15秒(〜60秒)という素材形式の中で、表現が模索・洗練し続けられてきました。しかし、「人」というメディアの素材形式は多種多様。文字・写真・動画、そして自分の“声”という様々な形式がある一方で、どういう状況で、どういう素材があるべきなのか、問われることはありませんでした。
これこそが、「人」がメディアとして機能しきっていない最大の要因なのではないかと考えます。
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