箭内さん、貧乏だったって本当ですか?

【前回コラム】「箭内さん!いったい、どこで洋服を買っているんですか?」はこちら

月給のありがたみ

—箭内さんは、決して裕福とは言えないご家庭に育ったと聞いたことがあるのですが……。

博報堂に入ってものすごく嬉しかったことは、毎月給料がもらえるということです。今月はもらえない、とか、マイナスだっていうことがない。不安定な親の稼業とともに育ってきたから、当面安定していることがありがたくて、今月も来月も変わらずにお金がもらえるなんて夢のようだと思いました。

—どんな幼少時代だったんですか?

中学1年までは、10坪くらいのお店の2階に八畳一間の部屋があって、そこに一家4人で住んでいました。学校の授業で家の間取りを聞かれた時に「1部屋」と答えたら「え~!」ってみんなに言われたので、「でも30畳以上あります」って嘘ついたんです。今の教育現場ではそういう質問自体タブーなのかも知れませんが(笑)。それで「箭内くんは30畳の家に住んでいるんだって」って話が親の耳に入って、親も「このままでは申し訳ないな」と考え始めたと、あとあと言ってましたね。

僕の友人でもある放送作家の高須光聖さんが言ってたんですけど、家族みんなが一緒の部屋で寝ているから、親が夜中に「商売がうまくいってない」とか「息子にどれだ愛情を注いでいるか」という話をしているのが、全部聞こえるんですよね。それを寝たふりしながら聞いていました。「子どもの寝たふり」って、意外とある話ですけど、そういう育ち方をしましたね。

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箭内 道彦
箭内 道彦

1964年 福島県郡山市生まれ。博報堂を経て、2003年「風とロック」設立。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」リクルート「ゼクシィ」をはじめ、既成の概念にとらわれない数々の広告キャンペーンを手がける。また、若者に絶大な人気を誇るフリーペーパー「月刊 風とロック」の発行、故郷・福島でのイベントプロデュース、テレビやラジオのパーソナリティ、そして2011年大晦日のNHK紅白歌合戦に出場したロックバンド「猪苗代湖ズ」のギタリストなど、多岐に渡る活動によって、広告の可能性を常に拡げ続けている。東京藝術大学非常勤講師、青山学院大学非常勤講師、秋田公立美術大学客員教授、福島県クリエイティブディレクター、郡山市音楽文化アドバイザーなども務める。

箭内 道彦

1964年 福島県郡山市生まれ。博報堂を経て、2003年「風とロック」設立。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」リクルート「ゼクシィ」をはじめ、既成の概念にとらわれない数々の広告キャンペーンを手がける。また、若者に絶大な人気を誇るフリーペーパー「月刊 風とロック」の発行、故郷・福島でのイベントプロデュース、テレビやラジオのパーソナリティ、そして2011年大晦日のNHK紅白歌合戦に出場したロックバンド「猪苗代湖ズ」のギタリストなど、多岐に渡る活動によって、広告の可能性を常に拡げ続けている。東京藝術大学非常勤講師、青山学院大学非常勤講師、秋田公立美術大学客員教授、福島県クリエイティブディレクター、郡山市音楽文化アドバイザーなども務める。

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