ヤングカンヌPR部門 3人の審査員が明かす「日本代表への道」

カンヌライオンズ内で実施される、ヤングライオンズコンペティション(通称:ヤングカンヌ)のPR部門日本代表のエントリー締め切りが、3月10日に迫っている。3月3日に開催された事前勉強会では、多くの若者たちが、審査員や昨年の日本代表ペアの話に、熱心に耳を傾けていた。彼らが世界に挑戦するには、まず日本代表の座を勝ち取らなければならない。勝利の秘訣はどこにあるのだろうか。今年、ヤングカンヌPR部門 日本代表選考審査委員を務める、尾上玲円奈さん(井之上パブリックリレーションズ)、本田能隆さん(博報堂 PR戦略局)、嶋野裕介さん(電通 CDC)に話を聞いた。

熱量の高い若者よ、部門に縛られず集まれ!

—ヤングカンヌは、世界規模の若手の登竜門です。PR部門は、PR業務に従事する30歳以下のプロフェッショナル、と参加資格が規定されていますが、日本代表の場合は、「日本国内のPR会社、広告代理店・制作会社等のPR部門に在籍するか、PR関連業務に従事していること。PR関連業務に従事するフリーランスは可」とされていますね。電通CDC・嶋野裕介さん(以下、嶋野):

所属に縛られず、たくさんの若手に参加してほしいです。僕自身も、今でこそPRプランニングセンターという部署を兼務していますが、狭義で言うところのPRに従事してきた経験はありません。いろいろな部署を渡り歩いてきた中で、必然的に、PR的な視点や発想が鍛えられました。だから、いろんな人にチャンスがあるのではないでしょうか。

博報堂PR戦略局・本田能隆さん(以下、本田):

そのとおりですね。PR部門というと、PR会社や広告代理店のPR部門の人だけが対象だと思われがちですが、門戸は広げているので、熱量の高い若手に集まってほしいです。

尾上 玲円奈(おのうえ れおな)
井之上パブリックリレーションズ 執行役員 事業 兼 クライアントリレーションズ担当

井之上パブリックリレーションズ・尾上玲円奈さん(以下、尾上):

私は昨年も審査員を務めているのですが、まだ業界の常識に染まりきっていないからか、良い提案を出す1~2年目の人が目立っていました。ぜひ年次にかかわらず、積極的に参加してほしいですね。

企画には、「サステナビリティ」の視点を入れるべし!

—昨年の選考では、企画と参加者の所属との間に、ある“傾向”があったと聞いています。尾上:

確かに面白い傾向がありました。一次選考は、所属も名前も伏せて、企画内容だけでまず審査するのですが、その段階で、PR会社の人が書いたか、広告代理店の人が書いたか、だいたいわかるんです。

まず、PR会社の人の企画は、記者発表会の実施やメディアプロモートといった、PR手法の「型」を並べるにとどまってしまう傾向がありました。現実的で実現可能性は高いのですが、ちっとも面白くない。逆に広告代理店の、特にクリエーティブ系の人の企画は、面白いアイデアはあっても、PRの「型」を無視していることが多いです。それだと、実施する際のイメージが弱い。このバランスをいかに取るか、それがポイントになってくると思います。

続きを読むには無料会員登録が必要です。

残り 2891 / 3516 文字

KAIGI IDにログインすると、すべての記事が無料で読み放題となります。

登録に必要な情報は簡単な5項目のみとなります

「AdverTimes. (アドタイ)」の記事はすべて無料です

会員登録により、興味に合った記事や情報をお届けします

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ