熱量の高い若者よ、部門に縛られず集まれ!
—ヤングカンヌは、世界規模の若手の登竜門です。PR部門は、PR業務に従事する30歳以下のプロフェッショナル、と参加資格が規定されていますが、日本代表の場合は、「日本国内のPR会社、広告代理店・制作会社等のPR部門に在籍するか、PR関連業務に従事していること。PR関連業務に従事するフリーランスは可」とされていますね。電通CDC・嶋野裕介さん(以下、嶋野):
所属に縛られず、たくさんの若手に参加してほしいです。僕自身も、今でこそPRプランニングセンターという部署を兼務していますが、狭義で言うところのPRに従事してきた経験はありません。いろいろな部署を渡り歩いてきた中で、必然的に、PR的な視点や発想が鍛えられました。だから、いろんな人にチャンスがあるのではないでしょうか。
博報堂PR戦略局・本田能隆さん(以下、本田):
そのとおりですね。PR部門というと、PR会社や広告代理店のPR部門の人だけが対象だと思われがちですが、門戸は広げているので、熱量の高い若手に集まってほしいです。
井之上パブリックリレーションズ・尾上玲円奈さん(以下、尾上):
私は昨年も審査員を務めているのですが、まだ業界の常識に染まりきっていないからか、良い提案を出す1~2年目の人が目立っていました。ぜひ年次にかかわらず、積極的に参加してほしいですね。
企画には、「サステナビリティ」の視点を入れるべし!
—昨年の選考では、企画と参加者の所属との間に、ある“傾向”があったと聞いています。尾上:
確かに面白い傾向がありました。一次選考は、所属も名前も伏せて、企画内容だけでまず審査するのですが、その段階で、PR会社の人が書いたか、広告代理店の人が書いたか、だいたいわかるんです。
まず、PR会社の人の企画は、記者発表会の実施やメディアプロモートといった、PR手法の「型」を並べるにとどまってしまう傾向がありました。現実的で実現可能性は高いのですが、ちっとも面白くない。逆に広告代理店の、特にクリエーティブ系の人の企画は、面白いアイデアはあっても、PRの「型」を無視していることが多いです。それだと、実施する際のイメージが弱い。このバランスをいかに取るか、それがポイントになってくると思います。

