メール受信設定のご確認をお願いいたします。

AdverTimes.からのメールを受信できていない場合は、
下記から受信設定の確認方法をご覧いただけます。

×

「人肌に最も近い」食器!?輪島塗の老舗の8代目が新ブランドを立ち上げ

share

江戸時代から続く輪島塗の老舗「輪島キリモト」が、「漆」を活用した新たなプロダクトブランド「IKI –by KOHEI KIRIMOTO」を立ち上げた。

新ブランドのコンセプトは、「IKI ー生き/息/粋ー」。伝統技術と現代のクリエイターの感性を組み合わせ、科学およびプロダクトデザインの側面から「漆」という素材の魅力を再定義し、プロダクトを開発する。

「人の肌にとても近い塗料」と言われ、手触りや口当たりに優れる「漆」。西洋と比べ、器が口に触れる機会の多い日本の食習慣・食文化とともに受け継がれてきた素材だ。

しかし「伝統」が先立って、本来の機能や価値を言語化し、マーケティング上の価値として伝えようとしてこなかった。「漆=高いけどなんかいいもの」で、生活者もつくり手も思考停止していたのが、漆器産業全体が抱える課題だったのだ。

ブランドの第1弾プロダクトとして開発されたのは、「ヒトハダに一番近いコップ」、「ヒトハダに一番近いお椀」、「ヒトハダに一番近いボウル」、「ヒトハダに一番近いお皿大」、「ヒトハダに一番近いお皿 小」の5つ。自ら呼吸する、生きている素材であり、その質感が人間の肌に近いという「漆」の特性が生かされている。

ターゲットは大きく3つに分かれる。
まずは、旧来の漆・伝統芸能への関心が深い人。「IKI」は漆塗りの新しい解釈であると同時に、漆塗りの本質的な魅力を際立たせたものでもあるため、より漆塗りを好きになってもらうきっかけになればとの考えだ。

次に、日々の暮らしの中に品質の良いものを取り入れたいと思っている人。伝統や他者の評価に捉われず自分が納得したものを手に取りたいと思っている人で、クリエイターや経営者に多いと推察している。

そして、日本に関心のある海外の人々。「漆」という伝統素材が、実は人間科学の観点からも合理的だったという事実は、日本文化の思想を理解する上でわかりやすい事例ではないかと考えている。

ブランドディレクターを務めるのは、輪島キリモト代表・桐本泰一氏の息子である桐本滉平氏(8代目)。同氏は2016年、大学在学中に文部科学省の留学プロジェクト「トビタテ!留学JAPAN」の4期生として、フランス・パリで輪島キリモトの商品を販売した。その経験が今回のプロジェクトのきっかけとなったという。

参画するクリエイターは、井上裕太氏(QUANTUM)、徳野佑樹氏(TBWA/HAKUHODO)、三浦崇宏氏(The Breakthrough Company GO ※以下、GO)の3人。井上氏がビジネスデザイン、三浦氏がプロデュース、徳野氏がアートディレクションをそれぞれ担当する。また、三浦氏が代表を務めるPR/広告/マーケティング支援事業のGOが、レベニューシェアでブランドをプロデュースする。

3月7日〜13日に、伊勢丹新宿店でお披露目および販売を行い、以降、本格的な展開を予定している。今後は、海外でのブランド展開も視野に入れる。