「人間とは何か?」から、はじまる壮大な問い
マーケティングの世界において、デジタルですべてが計測可能になるにつれ、さらにマーケティング活動の実行に際して機械化が進む中、疑問として浮かび上がってくることがあります。それは「どこまでが人がやるべきこととして残って、どこまでが機械に置き換えられるか?」という問いであり、デジタル化の波は逆に言えば「何が人間がやるべきことなのか?」を問われる時代になっているということです。
このような問いは歴史的には珍しいことではなく、14世紀ごろのルネッサンスをはじめ、19世紀の産業革命期、20世紀の世界大戦後では、必ずこのような問いが生まれては新しい発展を遂げてきたからです。その意味ではこのようなテーマは、基底においては普遍的に変わらずいろいろな形で変奏されていくでしょう。
4月23日、24日に開催の「アドタイ・デイズ」のパネルディスカッションで、パルコの林直孝氏と「人の気持ちは測定できるのか」というテーマで話をするのですが、このテーマは上に述べたように壮大なだけでなく、自分にとっては昨年のアドテック東京において「人の心とtechnology」というテーマで議論した際の続編ともいえる話題で、今後も続いていくような予感を抱いています。このコラムでは今回のパネルディスカッションの前段として、感情のデジタル化について説明しておきたいと思います。
