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目を引く、わかりやすい、面白い。いいリリースは会社を救う

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7月2日、『最強のビジネス文書 ニュースリリースの書き方使い方』の発刊を記念して、著者井上岳久氏トークイベント「早く帰れて、クオリティも高い! すべての部署が幸せになる最強リリースの秘密」が代官山 蔦屋書店にて開催されました。ここではその時の内容の一部をお届けします。

広告費はゼロ、リリースだけで年間150万人を集客

ニュースリリースは広報だけが作成するものだと思っていませんか? もしそう思っているとしたら、それは本当にもったいないことです。企画、マーケティング、人事などなど、広報以外の部署でもリリースのフォーマットを活用すれば、仕事は効率化され、社内コミュニケーションが深まっていきます。メディアに取り上げられる機会はぐんと増え、業績はもちろん、会社の認知度やイメージまで向上させることができるでしょう。私は自分の経験上、リリースにはそういう効力があると思っています。

「自分の経験」というのは、2001年の開業後、業績不振に陥った横濱カレーミュージアムを、広告費を一切かけずにリリースだけで人気施設に復活させた経験です。復活に携わったのは、自分とアルバイトが1人。広告費を一切使わないことが至上命令でした。そこで私が考えたのは、リリースで情報発信をして、メディアが取り上げてくれるような仕組みを作ることでした。

リリースを出すには、その材料になる企画を立てなければいけません。私は1年間で100本のイベントを企画して300本のリリースを出しました。それぐらい出さないとメディアは取材に来ませんし、メディアが取り上げてくれないと、情報は伝わらず、来場者も増えません。だからリリースを打ちまくったのです。

その結果、横濱カレーミュージアムは、年間150万人が来場する人気施設になりました。その一方で、課題も出てきました。リリースを出すこととイベントの開催に追われて、本社やテナントとのコミュニケーションがおろそかになり、「それ、聞いていない」「知らない」というクレームが嵐のように押し寄せたのです。

今でも手一杯なのに、どうすればこの課題を解決できるのだろうか。悩んでいた時に、ある企業の広報の知人からアドバイスをもらったのです。フォーマットを統一して、リリースの枚数を最高3枚までと決めて書くという方法です。やってみると、効率的にリリースを書くことができるようになり、時間的な余裕が生れたのです。このフォーマットを使えばすべての仕事を効率化できるはずだ。そう考えた私は、本社やテナントへの情報発信もすべてリリースの書式で統一しました。

結果は大成功でした。必要な情報が濃縮された資料は社内文書として機能し、情報共有が円滑になされるようになりました。不必要で不効率、行き当たりばったりのやりとりや打ち合わせが減少し、業務時間にも余裕が生まれたのです。この経験から、私はリリースを社内文書として活用することが、社内文書のレベルアップと業務効率の底上げにつながることを確信しました。事実として、私が指導に入りリリースを全社で活用するようになった企業は確実に成果が表れています。

次ページ 「メディアに刺さるリリースを書くコツ、伝授します」へ続く