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目を引く、わかりやすい、面白い。いいリリースは会社を救う

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リリースはすべての部署で活用できる万能ツール

私は、リリースはビジネスのさまざまなシーンで活用できる万能ツールであると確信しています。

メディア向けの資料であるリリースの文章は、伝わりやすいように研ぎ澄まされたものになっています。このリリースを広報だけしか使わないのは非常にもったいないことなので、社内文書をリリース1本にしましょうというのが、私の提案です。

そもそも企画書をリリースの形式で書くという考え方はいかがでしょうか。

その企画書をアレンジして、社内議論やプレゼン資料として活用します。そもそも企画者の思いなども入っているので、メディア向けのリリースも少し手を加えるだけでよくなります。そして、それを受け取った各部署は、ベースのリリースを少しアレンジして販売店向け資料や仕入れ先向け資料として使うことができます。他にも、リクルーティングやニュース配信サイトの広告や、店頭の掲示物としても活用できます。

このように、リリースにはさまざまな活用法があるのです。

リリースの視点は、営業、商品企画、マーケティング、人事、経営企画、総務、生産など、あらゆる分野で活用できます。これは「戦略広報」の考え方に非常にマッチしています。

リリースの視点は、中小企業においても有効です。

中小企業の中には、少なからず社内文書を作る習慣がない企業があります。そういう会社では、経営企画会議に企画書はなく、社長や企画部長が口頭で考えを述べます。企画書なんて、「俺の頭の中に入っているからいらない」ということのようです。しかし人の頭の中は常に変化しています。1カ月後の会議では、企画内容が全然違うものになっていたということが起こるかもしれません。

また、社長や部長の傍にいる人間は知っていても、直接話を聞く機会のない社員には考えが伝わりにくくなります。そうなると会社自体がまっすぐ進まなくなってしまいます。なぜ、こういうことが起こるのでしょうか。それは、中小企業には文章を書ける人材が少なかったり、販促専門の担当者がいないため情報発信が不得意だったりするからです。

しかしリリースなら、特別なスキルは必要ありません。最初にお話した、リリースの3大原則と書式に沿って書けば、それなりの企画書になります。しかもたったのA4用紙1枚でいい。1枚で足りなければ、2枚、3枚と捕捉情報を入れればいいのです。文章にしておけば、社長の考えが1カ月前と変わっていないかチェックできますし情報共有も円滑です。企画書を書く習慣がないのであれば、リリースを社内の共通文書にすることをお勧めします。

著者:井上岳久
発行:宣伝会議
価格:1800円+税

最強のビジネス文書 ニュースリリースの書き方・使い方
 
●リリースを活用してビジネス文書のクオリティと業務効率をUP
●読み手を引きつけよくわかる、プロのリリース作成テクニックを紹介
●20社の実際の企業のリリースを分析し実務に活かせる

井上岳久(いのうえ・たかひさ)
井上戦略PRコンサルティング事務所 代表
戦略広報プランナー

元横濱カレーミュージアム・プロデューサー。横濱カレーミュージアムの立ち上げから携わり、2002年11月にプロデューサーに就任。入館者数減少に悩む同館を復活に導く。PRを主体としたマーケティング戦略を用いてV字カーブで復活を果たしフードテーマ パークNo.1の座に成長させた。2006年11月に退任。現在は年間100以上ものイベントを実施し1週間に2回以上のリリースを配信するなどの様々な独自のPR戦略を展開する。また自らテレビ、新聞、雑誌にカレー界の第1人者として1年に100以上の媒体に出演した。著書に、『実践! プレスリリース道場 完全版』(宣伝会議)などがある。慶應義塾大学、法政大学卒。中小企業診断士。