クチコミマーケティングとマーケターのモラル
みなさんしばらくぶりです。クチコミマーケティングに関する私の経験と知見をシェアする文章、ちょっと時間が空きましたが続きを以下に。
さて、クチコミのマーケティングを企画する際にもっとも重要なのは「マーケターのモラル(倫理観)」ではないだろうか(実際のところどんなマーケティングコミュニケーションの施策であっても、マーケティングモラル/広告モラルというものが必ず必要ですが)。特にクチコミマーケティングというのは、消費者(ユーザー)の「クチ」を借りるマーケティングを目指すわけなので、普通以上に慎重にならなければならない。ただ残念ながら、クチコミマーケティングサービスの提供企業の利益が優先される一方、米国のクチコミマーケティング協会 WOMMA(Word of Mouth Marketing Association)が示してるような倫理協定について、日本ではまだまだ浸透していない。
WOMMAではサイトの中に“Ethics”というコーナーを設けて、クチコミマーケティングを仕掛けるマーケターたちへ、警鐘と適切な運用を呼びかけているが、この背景には連邦取引委員会FTC (Federal Trade Commission)が消費者保護法の観点から、消費者を騙すような広告手法、(とりわけ最近はデジタルテクノロジーが進んだ結果、取得できるデータが増えたので)消費者のプライバシーの保護などを観察対象にしていることと連携している。政府レベルでの消費者視点での取り組みが業界内での自主規制/教育につながっているのだろう(日本では公正取引委員会から消費者庁に景品表示法なども移管されて、広告領域における消費者保護規制がより進むかと思われたが、今のところは大きな動きはまだない)。