巣ごもり消費は単なる“現象”にすぎない コロナ禍における消費者の新・欲求

【前回コラム】「“スベらない”パーパス・ブランディング — 「省エネルック」と「クールビズ」の成否を分けたものとは?」はこちら

表面的な消費者理解では捉えきれない、コロナで変わる変化の本質

現在のコロナ禍によって、消費者の行動や意識が大きく変わっています。

その変化で生まれる新しい欲求と、企業やブランドが提供する価値にギャップが生じてしまうと、ビジネスは縮小方向に向かってしまう。だからこそ、今は事業やブランド、製品・プロモーションの戦略を、消費者理解から点検すべき時だと言えます。

消費者の行動や意識の変化は、共感のスイッチや非共感ポイントも変化させます。私が代表を務めるデコムの共感研究で、「消費者が求めているが実現できていない願望」が、共感を生みだす原動力になっていることがわかっています。その願望をうまく捉えなければ、製品やプロモーションは不発に終わってしまうだけなく、嫌悪感を生んでしまうこともあり得ます。

デコムではこの度、コロナで変わる消費者行動(n=1)1,005件を収集し、インサイト分析を行いました。その結果、Withコロナの消費者欲求が8個、Afterコロナにも続くと考えられる消費者欲求が12個、明らかになりました。

コロナ禍における消費トレンドを、「巣ごもり消費」という現象面だけで捉えても、その背後にある変化の本質は理解できません。近視眼的に現象を追いかけるだけでは、消費者の新しい“欲しいの本質”を捉えたことにはならないのです。

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大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)
大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)

大手広告会社を経て、2002年デコムを創業。2006年に日本初のインサイトリサーチに関する書籍「図解やさしくわかるイ ンサイトマーケティング」を上梓する。株式会社デコムは、設立以来、一貫してインサイトリサーチによるアイデア開発を提供。近著に『「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~』など。

大松 孝弘(株式会社デコム 代表取締役)

大手広告会社を経て、2002年デコムを創業。2006年に日本初のインサイトリサーチに関する書籍「図解やさしくわかるイ ンサイトマーケティング」を上梓する。株式会社デコムは、設立以来、一貫してインサイトリサーチによるアイデア開発を提供。近著に『「欲しい」の本質~人を動かす隠れた心理「インサイト」の見つけ方~』など。

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