コラム

人を動かす隠れた心理「インサイト」 ~全ての仕事に生きる、深層心理の洞察方法~

巣ごもり消費は単なる“現象”にすぎない コロナ禍における消費者の新・欲求

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20の消費者欲求、「ニューノーマル・プラネット」の2つの事例

<消費キーワード>
失われた五感回復消費

<代表する消費者事象(n=1)>
好きな物を好きなだけ食べることができるケーキバイキングに行けなくなったので、自分で週末ごとにホールケーキをつくり、その甘い匂いに包まれて幸せを感じている。家事や子育てで忙しく、ゆっくり食事もできない日常のストレスを、これまではバイキングでたくさん食べることで発散していた。

女性/33歳/沖縄県/既婚/子供2人/専業主婦/世帯年収1000万円以上

 
<共感スイッチ>
デリバリーやオンラインでは得られない、五感が豊かな体験を楽しみたい。

<非共感ポイント>
ライブ感やシズルなどの五感が乏しい。

<Beforeコロナの価値>
リッチな五感を当たり前のものとして普通に受け容れる。

<WithコロナまたはWith/Afterコロナの価値>
抑えられてきたリッチな五感をより強く求める。

<この欲求に応える、企業のマーケティング活動例>
・中国の大手レストランチェーンが、休業期間を利用して新たな半調理品の商品を開発し、自宅でもレストランで食べるような五感をリッチに提供した。
・アメリカのスキンケアンブランドが、デジタル技術を活用し、バーチャル・コンサルティングを開始し、ユーザーをサポートする。

<消費キーワード>
ソーシャルエクスキューズ消費

<代表する消費者事象(n=1)>
仲間とウォーキングをする時に、他の人から危機感のない人と思われないようにいつものコースを出発点から逆回りに歩いてゴールで合流するように変えた。自粛して社会的な責任を果たしている、人から攻められることもないという安心感を持ちつつ、目の前の自分の欲求を充たすことができる。

女性/63歳/広島県/既婚/子供3人/専業主婦/世帯年収400万~550万円未満

<共感スイッチ>
社会的な責任を果たすことによって、ちょっとは我がままにやりたい。

<非共感ポイント>
隠れ蓑が無く、自分の強欲があからさまになる。

<Beforeコロナの価値>
単に自分にメリットがある。

<WithコロナまたはWith/Afterコロナの価値>
社会的なエクスキューズを盾にできる。

<この欲求に応える、企業のマーケティング活動例>
アメリカのハンバーガーチェーンは、一定の料金以上の注文のデリバリー料金を無料にし、簡単に医療従事者への支援活動にも参加できるキャンペーンを行う。

これらの新・欲求は、定性調査による質的情報から作成したものです。そのため、どの程度多くの人が当てはまるのかという一般性の確認、定量的な検証が必要です。

その点は、全国の15~79歳の男女を対象に、共感スイッチ(企業が応えるべき消費者の欲求)について評価してもらい、量的な確認も行っています。
 

書籍案内
新刊『ほんとうの欲求は、ほとんど無自覚』(好評発売中)
チャンスは常に人々の「隠れ不満」の中にある。いま「ほんとうに欲しいもの」は、消費者本人も自覚できていません。社会が成熟した現代に重要なのは、「本人も無自覚な不満」を理解することです。本書では、この「無自覚な不満」を起点にして、「ほんとうに欲しいもの」を見つけるシンプルなフレームワークを紹介します。

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