人から役柄をつくる、今泉作品の魅力の裏側(ゲスト:今泉力哉)【後編】

【前回コラム】「新進気鋭の映画監督による独自の撮影術は“お任せする”こと!?(ゲスト:今泉力哉)【前編】」はこちら

今週のゲストは、先週に引き続き、映画監督の今泉力哉さん。最新作『街の上で』(2021年)の撮影過程における裏話などを語ってもらいました。

今回の登場人物紹介

左から権八成裕(すぐおわパーソナリティ)、今泉力哉、中村洋基(すぐおわレギュラーゲスト)、澤本嘉光(すぐおわパーソナリティ)。

※本記事は4月18日放送分の内容をダイジェスト収録したものです。

映画撮影中に、警察役が本当の警察から職務質問!?

澤本

:今回の『街の上で』は、奇跡的にコロナ前に撮られているから、下北沢という再開発される街の、ある種の記録映画にもなっているじゃない。

権八

:なるほどね。

澤本

:僕らからすると、僕の知っている下北沢、今はもうなくなっちゃった景色がいっぱいあって、気持ち的にすごく複雑になるんだよね。

権八

:かきむしられるというかね。スズナリの辺りとか。

澤本

:あと電車の高架になったり、地下になったり、そういうところ。でも、「やっぱり、ここで人は出会うんだ」「お巡りさんいるんだ」とかね。あのお巡りさんは……。

権八

:お巡りさん、気になるよね!

今泉

:あの人は、左近(洋一郎)さんっていう、出演者の中で、唯一俳優さんじゃなくマンガ家さんなんですよね。「ルノアール兄弟」というマンガ家コンビの原作担当。

『街の上で』の脚本を書いたマンガ家の大橋さんが、自身でたまに撮っている自主映画に毎回あの方が出ていまして。ほぼアドリブでセリフをしゃべっているんですけど、めちゃくちゃ面白かったので、せっかく大橋さんとやるから出てもらおうとお願いしました。ただ……今回はきちんとセリフがあったので、逆にきちっとこなす、アドリブもしないというスタンスでやってくれて。でも、なんでしょう……左近さん特有の謎の違和感が漂っていて!

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