ネットもオールドメディアも勝者がいない!?メディアビジネス
もはやここに書くのも「年一」ペースになってしまい、それでも連載かよ、という感じになっています。すみません。でも、やっぱり私のホームグラウンドは広告業界で、「アドタイ」の原稿は続けねばとの思いです。今年は年一を脱却したいと思います。
さて広告業界は今、冬の時代を迎えています。何しろすべてのメディアが元気ない。2000年代からずっと、ネットがオールドメディアを侵蝕してきたわけですが、今はみんなしぼんでいる状態。IT巨人と言われたGoogleやFacebookの成長も止まったようですし、勝者がいない状況になってしまいました。
テレビは中でもはっきり「敗者」になっています。コロナ禍で視聴率は大幅に増え、一方で放送収入は大幅ダウン。そこから、放送収入を取り戻した時期もありましたが、視聴率がダダ下がり、放送収入も結局はダダ下がり。このまま下がり続ける気配が濃厚です。
来るべき時が来た!しかもコロナ禍で前倒しになった、と誰もが感じているようです。コロナ禍によりYouTubeやNetflixをテレビ受像機で見る人が増え、それが視聴率に影響を及ぼすようになってしまった。いずれそうなると言われていたのを、コロナが時計を早めてしまったのです。
そんな中、コネクテッドTVがバズワードになっています。ここに手を出しときゃ間違いない、というムード。テレビにHDMI経由で外部端末を繋いだり、最新のテレビ受像機だとアプリとして内蔵され、様々なサービスが楽しめるようになった。ネットに繋がったテレビは新しい広告メディアにもなる。放送収入が減ってもコネクテッドTVによる新たな広告市場が生まれるのだ。そんな空気が漂っています。
ただ、これはそう簡単ではない。というのは、コネクテッドTVの広告市場を担うサービスがまだ、TVerとABEMA、そしてYouTubeくらいしかないわけです。はっきり言ってテレビ広告市場の次を担うには物足りない。市場として育つにはプレイヤーがひしめき合う状態にならないと。
