広報業務において生成AIはどのような場面で使うことができるのか。イベント「PR-AI Day」で、講演を行ったプラップノードCOOの雨宮寛二氏は、大きく3つのフェーズがあると指摘した。
1つ目が、PRのアイデア出し・ストーリーづくり。2つ目が、プレスリリースなどのPRの素材づくり。3つ目がクリッピング、リスト作成などの業務効率化だ。
「例えば企画・アイデア出しにおいては、記事タイトルなどを生成AIに学習させ、取り上げられた要因を分析させたり、媒体や記者別に情報発信の切り口を変えるヒントを得たりすることもできます(図1参照)。ここで重要なのは分析のもととなるデータです。当社では広報にまつわる様々なデータを保有しており、生成AIと掛け合わせることで広報の生産性向上に大きく寄与できるのではないかと考えています」。
【図1】記事タイトルなどを学習した生成AIの活用・プロンプト例
生成AIでリリース生成
生成AIによるプレスリリースづくりについては、機密情報の漏洩という点で導入を懸念する声も多い。しかしプラップノードで開発しているプレスリリースのドラフト(草案)生成機能は、セキュリティ面をクリアし、安全性を担保したサービスになるという。同社が提供する広報DXツール「PRオートメーション」内に新たな機能の追加が予定されている。
「広報は機密情報を扱うので、Microsoft AzureとOpenAI GPT-4の組み合わせで、アカウント外は無学習にする独立環境をつくりセキュリティに配慮しています。語尾の不適切さなどを繰り返し検証し、業務実装できるレベルでの文章生成力の質を担保していきました。事業部門からもらった企画書を入力すれば、プレスリリースのドラフトを作成できることが、実証実験でも分かっています」と雨宮氏。
「PR-AI Day」では、プレスリリースの自動生成を行うデモの様子も紹介した(図2)。
【図2】「PRオートメーション」での実証実験・プレスリリースのドラフトを自動生成
理想は生成AIとの共存
『先読み広報術』の著者、アステリアのコミュニケーション本部長 長沼史宏氏と、プラップノード コンテンツマネージャーの桃井克典氏による対談では、生成AIを使って、メディアインサイトや生活者の関心を先読みしていけるかについて議論。日々の報道チェックについて、生成AIによって記事の要約を集積する使い方のほか、報道傾向の分析や、メディアごとの記事予測にも活用できることなどが紹介された。
生成AIの活用によって浮いた業務時間を、人間にしかできない企画づくりや、メディアとのリレーションに費やしていく。そうした広報活動の理想のあり方が、現実的なものになっていきそうだ。
業務効率化プラットフォーム「PRオ-トメーション」
プレスリリースの作成・配信に留まらず、反響分析や取材管理などメディアリレーション業務を一元管理できるプラップノードの広報DXツール「PRオートメーション」。記者の既読数、掲載数、記事のポジネガ比率、広告換算費、SNS上の拡散数などを自動表示できる。2023年からは、ユーザーと共に生成AIでプレスリリースのドラフトをつくる実証実験を開始するなど、今後も機能追加を予定している。
お問い合わせ
プラップノード株式会社
住所:〒104-0061 東京都中央区銀座7-16-12 G-7ビルディング 9階
TEL:03-4570-3150
MAIL:info@pr-automation.jp
URL:https://pr-automation.jp/
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