ピックルボールが変える、都市のライフスタイル&マーケティング新常識【後編】

「気軽さ」が生む新しい顧客接点とその応用可能性

前編

では、ピックルボールが体現する「体験の複合化」と「空間価値の再定義」について考察した。後編では、このムーブメントがビジネス戦略にもたらす具体的な示唆と、日本市場への応用可能性を考えてみる。

写真

Photo: Niena Etsuko Hino

「気軽さ設計」で新規顧客へアプローチ

ピックルボールの最大の特徴は「すぐ始められること」だ。特別な道具や知識がなくても楽しめるこの気軽さは、あらゆる業界の顧客接点づくりに重要な示唆を与える。

CityPickleでは、コートレンタルだけでなく、「セントラルパークでピックルボールの楽しさを体験してもらうための、すべてのレベルのプレイヤー向けに設計された1日$5のグループプレイ」というコミュニティプレイが申し込めるようになっている。$6でパドルのレンタルもでき、何を着ればいいかについても、「動きやすく快適なスポーツウェアと、ノンマーキングソールのコート用スニーカーは必須です。個性のあるスタイルは必須ではありませんが、歓迎されます」とQ&Aのページに表記されている。事前予約は必須だが、大きなギアを用意することなく、動ける格好でセントラルパークに手ぶらで散歩に来る延長線で実施できる。

この導線設計は、「専門性より気軽さを優先する仕組み」の好例だ。従来のスポーツクラブが「上達」「継続」を前提にしていたのに対し、ピックルボール施設は「体験」「交流」を入口にしている。

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日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)
日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

日野江都子(企業ブランディング・プロデューサー/ 国際イメージコンサルタント)

東京生まれ、ニューヨーク在住。フリーランスを経て、2004年、ニューヨークでリアル コスモポリタンを設立。日欧米亜合わせ数千人のハイプロファイリング・クライアント(日系企業や外資企業日本法人の経営層、政治家、財界人、セレブリティーなど)の包括的なブランディングを手がけてきた。施策提案など総合的なコンサルティングを実施し、高い評価を得ている。主な著書『仕事力をアップする身だしなみ 40のルール』(日本経済新聞出版社) 、『Premium Image Management for Men』DVD監修(SONY PCL)、『NY流 魅せる外見のルール』(秀和システム) など。

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