ブランド周知から新商品開発まで様々な施策と恩恵
4月13日に開幕した「2025大阪・関西万博」の閉幕が近づいている。当初は建設の遅れや費用対効果への疑問など様々な課題が指摘されたが、開幕後は評価する声が日増しに増え、10月4日時点の累計来場者数は2682万人を突破。運営費も黒字が見込まれている。日本経済への効果はもちろん、出展企業も大きな恩恵を受けた。本稿では、自社ブランドの認知拡大や、多様な国の人々が集まる場を生かした実証実験など、各社の取り組みと成果をまとめた。
出展企業からも称賛の声が相次いだ「2025大阪・関西万博」
キリンビール、中止になった花火大会を万博で復活
「晴れ風ACTION特別共催 未来につなぐ希望の花火」
大手ビールメーカーのキリンビールは、「いのち輝く未来社会のデザイン」という万博のテーマのもと、「人とのつながり」や「地方創生」の観点から独自の取り組みを行った。天候不順や財政難で中止・延期が相次ぐ「花火大会」を支援するため、全国各地で打ち上げられるはずだった花火玉を集め、万博会場で打ち上げる「晴れ風ACTION特別共催 未来につなぐ希望の花火」を8月23日に開催した。
キリンが2024年4月に発売したスタンダードビール「晴れ風」の施策の一環。同ブランドは、売上の一部を寄付して桜や花火といった日本の風物詩を支援している。キリンが「夏の花火に何か貢献できないか」と模索する中で、花火技術を世界に発信することを目的に設立された「Japan Fireworks Project」に相談したことをきっかけに、打ち上げが叶わなかった自治体への呼びかけが始まった。

