世界を席巻する日本のゲームIP 「遊び」が生んだ文化経済の力

コラム第4回となった今回は、IPビジネスのひとつの核となる領域「ゲーム」について語ろうと思う。

1980年代、家庭用ゲーム機の誕生とともに世界の娯楽産業を塗り替えた日本のゲーム産業は、いまや単なる娯楽の域を超え、「知的財産(IP)」を中核とする文化産業モデルの最前線に立っている。

日本の任天堂、ソニー、バンダイナムコホールディングス、カプコン、スクウェア・エニックス、セガサミーホールディングスなどの主要企業は、コンテンツ開発を起点に映像・音楽・アニメ・フィギュア・テーマパーク・eスポーツなどの多層的なビジネスを展開し、IPの循環的価値創造を実現してきた。

グローバル市場における日本のゲーム関連IPの存在感は圧倒的である。調査会社Newzoo によれば、2024年の世界ゲーム市場(約2000億ドル規模)のうち、日本発IPの関与率は推定30%を超える。『ポケットモンスター」『スーパーマリオ』『ファイナルファンタジー』『ゼルダの伝説」『モンスターハンター』『ドラゴンクエスト』など、国境を超えて消費される作品群は、いずれも長期的なブランド運用と世界観設計に支えられている。

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増淵 敏之
増淵 敏之

法政大学文学部地理学科教授、専門は文化地理学。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。コンテンツツーリズム学会会長、文化経済学会〈日本〉特別理事、希望郷いわて文化大使、岩手県文化芸術振興審議会委員、NPO氷室冴子青春文学賞特別顧問など公職多数。

増淵 敏之

法政大学文学部地理学科教授、専門は文化地理学。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了、学術博士。コンテンツツーリズム学会会長、文化経済学会〈日本〉特別理事、希望郷いわて文化大使、岩手県文化芸術振興審議会委員、NPO氷室冴子青春文学賞特別顧問など公職多数。

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