しばらく空いてしまいましたが、「韓国トレンド研究室」、第11回目です!「K-POPアイドルから学ぶコンテンツプロデュース」の第3弾です。
前々回の「①K-POPアイドルの仕組み」、前回の「②コンセプト」に続き、今回は「期待値のつくり方」についてお話しします。
K-POPをみていると、カムバまでの期間でファンがワクワクするように計画的に情報解禁が設計されているように見えます。
その情報解禁は、ドラマでも新店舗でも広告でもイベントでも……、さまざまなところで活かすことができそうだと思い、今回はこのテーマでお話ししようと思います!
【目次】
1.カムバ
2.情報解禁の流れ
3.リリース前の考察
4.まとめ
1. カムバ
第1章では、カムバによる期待値のつくり方についてご紹介します。K-POP① の時にもお話ししたので、本章はサクッと紹介させていただきます。
カムバとは「カムバック」の略で、「活動再開」「新曲発表」のことを指します。
1カ月ほど前にカムバの日程が発表され、そこから忙しなく、MVティザー映像や、MV公開日時、各種メディア出演予告などが大量に公開されます。
K-POPアイドルは「準備期間」で一気に露出が減ることで、推しの需要が高まり、「活動期間」を期待する気持ちが大きくなります。
また、カムバごとに大きくコンセプトが変わるグループも多く、新曲のコンセプトに合わせて髪型を変えたメンバーが、発表前は見えないように帽子などで必死に隠したりします。このようにカムバに向けて、全貌のピースが少しずつ見えてくると、「今回はどんな衣装なのだろう」「どんなスタイリングなのだろう」と、ファンの期待は高まっていきます。
情報の“チラ見せ”で、期待値をあげていることが分かります。
2.情報解禁の流れ
第2章では、情報解禁の流れについてご紹介します(あくまで平均値なのでこの通りでない場合もあります)。
➀ カムバ告知:1カ月前
最初に「COMING SOON」とだけ書かれた1枚の画像や短い映像が出ます。情報はたったそれだけですが、ファンにとっては“カムバ確定”のタイミングになります。
➁ プロモーションスケジュール公開:3週間前
このタイミングが正式なカムバ発表になります。
カムバまでの全ての日程がまとめられた画像(コンセプトフォト公開日・トラックリスト公開日・MVティザー公開日・アルバム発売日etc…)が公開されます。
➂ コンセプトフォト/コンセプトフィルム:2週間前
1週間ほどかけて「メンバー別→グループ全体」などの流れで複数回に分けて公開されます。ここで今回のカムバの世界観・ビジュアルが決定します。
コンセプトフィルムでは、曲はまだ一切流れず、雰囲気のみ伝えることが多いです。
➃ トラックリスト:1~2週間前
タイトル曲の名前・作詞作曲陣・収録曲数・コラボの有無などなどが公開されます。
曲名から「どんな意味が込められた作品なのか」ファンの間で考察が繰り広げられます。
➄ MVティザー:2~5日前
大体2回に分けて公開され、1回目ではまだ見えない情報も多く、2回目のティザーでついにサビのメロディや振り付けが公開されます。
➅ アルバムプレビュー/パッケージ開封
CDの中身・フォトカード・ポスター・購買者特典などが公開されます。
➆音源公開 & MV公開:カムバック当日
MVフル公開と同時にアルバム発売・サイン会の応募が開始されます。
以上のように非常に細かな情報解禁の段階を踏むことで、徐々にファンの熱量を高めていき、期待値はどんどんと上がっていきます。
また、この情報解禁の流れは多くのグループで共通・一般的なものなので、「次は何が発表されるか」があらかた分かっているということもカギです。これにより、まったく流れが見えない状態よりもむしろ「これが公開されたから次はあれがくるぞ…」と明確な期待をしやすい状態がつくれるのです。