OOHもデータドリブンの時代に jeki×KDDIが挑むターゲティングDOOHの新常識

OOH広告のターゲティングや効果測定は、データの活用によって急速に進化しつつある。ジェイアール東日本企画(jeki)とKDDIは、デジタルサイネージを活用した屋外広告(DOOH)のターゲティング配信が可能なプロダクト「ターゲティング配信 powered by KDDI」を2025年1月から提供開始した。
 
KDDIの保有する位置情報や属性情報、興味関心などのデータをもとに、ターゲットが多いエリアや時間帯を抽出し、そのデータをjekiが運営するDOOHのマーケットプレイス「MASTRUM(マストラム)」に組み込むことで、ターゲットの分布に応じたプログラマティックな広告配信が可能になった。これにより、テレビの補完としてのリーチメディアから、獲得につながるメディアとしての活用が期待されている。

2社の協業で、OOHもデータドリブンの時代に

DOOH(Digital Out of Home)はこれまで、アナログのOOHと同じく場所と期間が決められた広告枠に出稿する形態となっており、効果を得るには一定の勘と経験が必要だった。また、その効果を評価する方法も確立されていなかった。

加えて、DOOHを推進するにあたり、コロナ禍を経て駅や屋外に人が戻ってきたことを定量的および定性的に評価しきれていないという課題もあった。

そこでjekiは、動画を含むデジタル広告の配信面であるDOOHに何らかのシステムやデータを連携させることによって、柔軟な配信設計を実現するとともに、付近の人流やDOOHに接触した人の数を可視化したいと考えた。

一方でKDDIは、auのスマートフォン端末を通してユーザーの位置情報や属性情報、興味関心などのデータを取得しており、それを他社のデータと連携させることによって新しい価値を生み出す「データコラボレーション構想」を掲げ、推進している。例えば、小売企業が自社の購買データとKDDIの保有データを連携し、自社の顧客の日常行動や他社での購買行動からさらなる顧客理解につなげたり、その連携データを第三者のクライアントに提供してマーケティングに活用してもらうといった展開が可能となっている。

KDDIが持つ位置情報や属性情報を伴うデータと組み合わせることで、精度の高いターゲティングが可能に

KDDIが持つ位置情報や属性情報を伴うデータと組み合わせることで、精度の高いターゲティングが可能に

この両社の協業について、ジェイアール東日本企画 MASTRUM推進センターの劉斌氏は、次のように語る。

「KDDIのデータは高い人口カバー率を誇ります。OOHの業界の流れとしてもデータドリブンが一つの主流になっていくという中で、同社との協業は必然でした。それによって、いつ、どのような人に広告が届けられるのかを可視化し、勘や経験がなくても効果的な広告配信をプランニングできるような世界を目指しています」

ジェイアール東日本企画 メディアソリューション本部 MASTRUM推進センター プロダクト部 劉斌 氏

ジェイアール東日本企画 メディアソリューション本部 MASTRUM推進センター プロダクト部 劉斌 氏

また、KDDI マーケティングソリューション部の林祐太氏も、次のように期待を述べる。

「生活者の行動が多様化している中で、生活者とリアルな接点が持てるDOOHにおいても、一人ひとりのニーズにあわせたコミュニケーションを構築していくというのは自然な流れかと思います。また、DOOHを活用する広告主の視点で見ても、デジタル広告にデータドリブンの考え方を取り入れたいという思いは強いと感じます」

KDDI パーソナル事業本部 DXデザイン本部 マーケティングソリューション部 林祐太 氏

KDDI パーソナル事業本部 DXデザイン本部 マーケティングソリューション部 林祐太 氏

ターゲットの分布や動きに合わせて、柔軟な配信が可能に

「ターゲティング配信 powered by KDDI」は、2024年から約1年の歳月を費やして構想から具体的な商品設計までを行い、2025年1月にローンチした。データ面は、KDDIがauユーザーの個別同意を得て取得したものを活用しており、位置情報に加え、金融やECサイトをはじめとするさまざまな領域へのサービス展開により得られる多種多様なデータが強みとなっている。それらのデータは、個人を特定できない形式に加工したうえで、性別や年代はもちろん、旅行やゲーム、美容などの興味関心に基づく41項目のセグメント(2026年3月時点)を作成し、各セグメントがどういった場所や曜日、時間帯に多く存在するのかを可視化した。セグメントについては、今後もラインナップのさらなる拡大を見込んでいる。

配信面は2026年3月時点では、首都圏20駅277面の駅縦型サイネージと、94駅184面の横型サイネージ(NewDays、KIOSK)。jekiは、広告の掲出期間やターゲット層などの広告主が希望する条件を踏まえて配信をプランニングし、ターゲットの分布に応じてプログラマティックに広告配信を行う。配信後には、実際に配信された場所や時間にどの程度ターゲットがいたのかを計測し、広告主に効果レポートとして提供する、というのが一連の流れだ。

「このプロダクトを活用することで、これまで手運用で行っていたターゲットごとのクリエイティブ出し分けを、データに基づいて自動化できます。さらに、クライアント側での計測結果に応じてクリエイティブのA/Bテストを実施するなど、効果検証にも柔軟に対応可能です。また、最低出稿金額に合わせたスモールスタートもできるため、MASTRUMが保有する広範囲のインベントリーを活かし、地元の小さな商店などでも集客施策としてご活用いただけると考えています」(劉氏)

配信面は、まずjekiが管理するJR東日本のフィールドからスタートし、将来的には日本全国に広げていくことを目指している。また、KDDIの保有するデータについても、さらなる活用の幅や新たなデータの活用方法を模索しながら、同プロダクトの充実に役立てていく見通しだ。

今後もさらに提供内容を充実させ、ニーズに応えていく

これまでは、ビジネスパーソンが集中しやすい朝や夜に電車の車両内で掲出する広告枠とあわせて、昼の時間帯にも駅のサイネージでターゲティング配信を行い、より集中的にビジネスパーソンへの認知拡大を図るといった施策を展開。KDDIも広告主としてこの広告プロダクトを使って法人向けサービスを訴求するなど、BtoCだけでなく、BtoB向けの広告にも活用されている。

さまざまな切り口によるターゲティングに対応している

さまざまな切り口によるターゲティングに対応している

【Information】
本資料では、「MASTRUM」のサービス概要から具体的なターゲティング手法、料金体系、成功事例までを網羅的に解説しています。OOH・DOOH広告の新たな活用法を探る、すべてのマーケター必見の資料です。
 
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今後は、例えば同プロダクトとDSPを接続し、DSPとのトータルプランニングを可能にして、実施できるマーケティング施策のバリエーションを増やすなど、より柔軟な配信設計やスピーディーなデータ活用を実現し、広告主のニーズに応えていく。

また、効果検証においても実際のリーチ結果だけでなく、小売企業が持っている購買データと連携させ、広告が実際に行動変容に寄与したのかを調査できるようにするなど、さまざまなデータ活用の余地があると考えているという。

「もともと、OOHやDOOHは生活者にとってそこまでノイズではなく、我々にとっても我々と生活者の偶然の出会いが実現できる、生活者との親和性の高いメディアだと考えています。そうした偶然の出会いは、これまではプランナーの方々の勘と経験によって演出されてきましたが、今後は精度の高いデータの活用によって、偶然を必然にするという世界観を実現していきたいと考えています」(劉氏)

「KDDIとしても、データコラボレーション構想を引き続き推進していく中で、さらなるデータ活用を通じたDOOHの価値向上に寄与しつつ、jekiの取り組みをしっかりと支えていけたらと考えています」(林氏)

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お問い合わせ

KDDI株式会社

Mail:jeki-support@kddi.com

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