民放連・早河会長、WBCなど大型スポーツの放映権高騰に危機感 「国民的イベントは無料で見られる環境を」

日本民間放送連盟(民放連)の早河洋会長(テレビ朝日会長)は3月19日に都内で開かれた定例会見で、オリンピックやワールド・ベースボール・クラシック(WBC)など大型の国際スポーツ大会をめぐり、「映像を無料で視聴者に届けることは、スポーツの発展と普及に寄与する放送の重要な役割だ」との認識を示した。一方で、放映権料の高騰が続く中、広告収入を基盤とする民放事業者としては経営面との両立も重視せざるを得ず、「悩ましい問題」だと述べた。

写真 人物 早河会長

早河会長は、オリンピックについてはNHKと民放によるコンソーシアムで対応していると説明。そのうえで、サッカーワールドカップ(W杯)やWBCでは配信プラットフォームの存在感が増し、権利獲得の構図が変化しているとの見方を示した。WBCでは、これまでTBSとテレビ朝日が5大会で貢献してきた経緯に触れつつ、今大会ではNetflixによる独占配信の影響で地上波視聴が落ち込み、「総個人視聴率で見ると(6日の日本対)台湾戦はマイナス5%減少」(早河会長)だったと報告した。

会見では、視聴者から寄せられた反応にも言及した。早河会長によると、「WBCのような国民的関心の高い大会は地上波でも見られるようにしてほしい」「放送各社や関係各社で連携して放映権を確保できないか」「高齢者やネット非利用者にも配慮してほしい」といった声があったという。大型スポーツイベントを誰もがストレスなく視聴できる環境を求める意見が、改めて浮き彫りになった。

ユニバーサルアクセス権にも言及、次回WBCの権利構図は「読めない」

その流れで早河会長は、英国などで採用されている「ユニバーサルアクセス権」の考え方にも触れた。英国などではサッカーW杯やテニスのウィンブルドン選手権のような国民的イベントを、誰もが無料でアクセスできるようにする制度で、総務省や自民党などにも非公式に存在を伝えていると説明した。ただし、制度化には放映権者や配信事業者側との整理も必要になるとして、直ちに具体化を求める段階ではなく、まずは各国の事例を学ぶ必要があるとの考えを示した。

今後を見据えては、2028年ロサンゼルス五輪の野球競技の出場条件である、2027年のWBSCプレミア12(のアジア最上位入賞)が重要になると指摘。次回WBCについても、MLBのロブ・マンフレッドコミッショナーが2029年または2030年開催の可能性に触れており、開催時期や放映・配信権のあり方はなお流動的だとした。早河会長は、こうした不透明さが残る中でも、国民的な関心を集める大会については「有料ではなく、みんなが無料で接触できる形が望ましい」との考えをにじませた。

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