「経営機能としての広報」 95.2%が賛同も4つのギャップ課題あり 日本広報学会が公表

日本広報学会は3月17日、「経営者インタビュー」調査結果報告シンポジウムを開催。創設30周年記念研究プロジェクトの一環として、上場企業20社の経営者へのインタビュー調査結果を公表した。

シンポジウムの様子。学会員以外の実務家も多数参加しており、「経営と広報」への関心度の高さがうかがえる。

シンポジウムの様子。学会員以外の実務家も多数参加しており、「経営と広報」への関心度の高さがうかがえる。

経営機能としての広報、95.2%が賛同するも、理想と現実には隔たり

同学会は、2024年に上場企業経営者へのアンケート調査を実施。学会が2023年に示した広報の定義、すなわち「組織や個人が、目的達成や課題解決のために、多様なステークホルダーとの双方向コミュニケーションによって、社会的に望ましい関係を構築・維持する経営機能」という考え方に対し、回答者207人のうち95.2%が賛同したという。

一方で、広報を経営機能として捉える認識が広がっているにもかかわらず、企業実務の現場では、その期待に十分応えられていない実態も明らかになったという。そこで、国枝智樹氏(上智大学 准教授)をはじめとしたプロジェクトチームは、この隔たりの背景をより具体的に把握するため、前年度のアンケート回答者をもとに、上場企業20社の経営者へのインタビュー調査を実施したと説明した。

調査結果を発表する国枝智樹氏(上智大学 准教授)

調査結果を発表する国枝智樹氏(上智大学 准教授)

経営者の語りから見えた4つのギャップ

20社の経営者へのインタビューを分析した結果、広報に対する期待と現実の隔たりは、大きく4つの領域に整理できるという。国枝氏は、広報に高い期待が寄せられる一方で、実務の現場では共通した課題が存在していると指摘した。

※※※※※

1つ目は「戦略関与ギャップ」。これは、広報が経営戦略の策定や経営の意思決定に十分に関与できていない状態を指す。戦略が固まった後に広報部門へ情報が下りてくる体制では、経営と発信の間にズレが生じやすい。また、社会や株主など多様なステークホルダーの視点を、経営判断に十分にフィードバックできていないことも課題として示された。

2つ目は「組織位置づけギャップ」。広報部門の役割や権限、担当範囲の位置づけが企業内で十分に整理されていないという問題だ。経営陣に直結しない配置や、他部門との連携不足に加え、広報人材が経営や事業への理解をどこまで深められているかも論点として浮かび上がった。

次のページ
1 2
この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

この記事を読んだ方におススメの記事

    タイアップ