なぜ今、各社がこぞって「休養」を売るのか?リカバリーウェア参入5社に聞くマーケティング戦略

リカバリーウェア市場は急速に拡大している。かつては特定のアスリート向けギアという側面が強かった機能性衣料は、今や「日常的なウェルネスツール」へとその定義を広げている。

本記事では、ベネクス、MTG、宝島社、ワークマン、はるやま商事の5社に取材を行い、各社がどのような市場定義やコミュニケーション戦略を描いているのかを分析した。

【調査設問項目】
Q1. 市場における「ポジショニング」の定義(いずれか1つ)
・パフォーマンス重視型(競技者やスポーツ愛好家の「攻めの回復」)
・スリープテック型(深刻な睡眠課題を抱える層への「眠りの質改善」)
・ウェルネス・ライフスタイル型(家事や仕事で疲れた現代人への「日常的な癒やし」)
Q2. コミュニケーションにおいて最も重視する要素(KSP)(最大2つ)
・科学的エビデンス・医療機器としての信頼性
・着用時の快適さ・肌触り・デザイン性
・著名人やアスリートの着用によるブランドバリュー
・その他
Q3. 最も注力しているマーケティングチャネル(最大2つ)
・自社ECおよびSNSを通じた直接的なコミュニケーション
・体験・試着提供(百貨店や直営店、ポップアップ等)
・スポーツイベント、フィットネス施設、医療機関等との提携
・その他
Q4. 独自の戦略(自由記述)

圧倒的価格で狙う「大衆化」:ワークマン「MEDiHEAL」

発売:2021年春
市場定義:ウェルネス・ライフスタイル型
重視要素:快適さ・デザイン、その他(第三者評価・UGC)
注力チャネル:自社EC・SNS、その他(イベント)
戦略のポイント:
「リカバリーウェアの大衆化」を目指し、SNSやイベントを通じてユーザーによる第三者評価(UGC)を生み出す仕組みづくりに注力。価格インパクトと機能性を武器に、SNSでの製品評価を直接的な購入の意思決定へと繋げている。

※※※※※

「全世代」へのトータル提案を加速:べネクス

発売:2010年2月
市場定義:パフォーマンス重視型
重視要素:科学的エビデンス、快適さ・デザイン
注力チャネル:自社EC・SNS、体験・試着提供
戦略のポイント:
「世界中で休養の常識を変える」をミッションに掲げ、アスリート層からビジネスパーソンや高齢層まで、“本物”の休養を求める全世代へとターゲットを拡大中です。休養学に基づくものづくりで、就寝時のウェアに加え、移動時や日常使い可能なウェア、着替え不要でケアできるアクセサリーを展開。さらに、PHT配合の入浴料やマッサージゲルも展開し、休養環境をトータルに提案。休養のパイオニアとして市場を牽引し続けます。(ベネクス ブランドマネジメント部 広報・PR 下山祐佳氏)

※※※※※

「日中インナー」市場を開拓:MTG「ReD」

発売:2025年7月
市場定義:ウェルネス・ライフスタイル型
重視要素:科学的エビデンス、快適さ・デザイン
注力チャネル:体験・試着提供、フィットネス施設・医療機関等との提携
戦略のポイント:
当社は市場に多いパジャマウェアやルームウェアだけでなく、薄さ1mm以下で日中も快適に着られる血行促進インナーを開発しました。独自開発した血行促進繊維VITALTECH®の開発ストーリーや科学的根拠を含めて伝えることで、ブランドへの信頼と選ばれる理由につなげています。また、直営店での体験を起点に、量販店やECなど複数チャネルで出会える設計を行っている点も独自性につながっています。初めてのお客様でも安心して手に取れる環境を整え、日常の導線に自然に存在するブランド体験を生み出しています。(MTG ReD VITALWEARブランド本部 マーケティング部 PR担当 木皿春香氏)

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