KADOKAWA行政処分に「うちは関係ない」で本当に大丈夫? 「詳細は後ほど」が実は命取り、フリーランス法で “うっかりハマる落とし穴”

出版大手のKADOKAWAに対し、公正取引委員会がフリーランス法違反で再発防止を求める勧告を行う方針だと報じられた。ライターなどに業務を委託する際、報酬などの取引条件を事前に書面やメールなどで明示していなかった疑いがあり、対象は約100人に上るとみられる。KADOKAWAは6月8日、公正取引委員会による調査を受けていることは事実とし、「真摯に対応している」と発表した。

この問題を受け、SNS上ではKADOKAWAや出版業界の体質を指摘する声も見られる。しかし、これは特定の業界だけの問題ではない。フリーランスとの取引が多い業界であれば、同様のリスクはどこでも起こりうる。実際、放送業および広告業の事業者についても、昨年12月に128事業者が公正取引委員会から是正を求められたことが明らかになっている。

写真 イメージ画像 フリーランスとの取引

フリーランス法は、単に「契約書を作る」「報酬をメールで伝える」だけで対応できる法律ではない。制作現場で当たり前に行われてきた発注や支払いの運用にも、思わぬ“落とし穴”がある。悪気はなくても、従来の慣行のまま進めれば違反につながる可能性がある。

「詳細は後で」に潜む明示義務違反

フリーランス法の正式名称は「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」。2024年11月に施行され、フリーランスとの取引条件を明確にし、報酬の支払い遅延や不当なやり直し、買いたたきなどを防ぐことを目的としている。

今回のKADOKAWAの問題で中心となるのは、第3条の「取引条件の明示義務」違反とみられる。発注者は、フリーランスに業務を委託する際、業務内容、報酬額、支払期日、納期、納品場所、検査を行う場合の検査完了日などを、書面やメール、チャットツールなどで明示しなければならない。

ここで注意したいのは、取引条件がすべて確定していなくても、明示義務がなくなるわけではない点だ。

出版や広告制作の現場では、発注時点で撮影日、掲載日、使用媒体、ページ数、納品形式などが固まりきっていないケースも多い。そのため、「詳細は後で詰めましょう」「いつもの感じでお願いします」「媒体が決まったら共有します」といった進め方になりがちだ。

しかし、未定事項の理由や確定予定日を示さないまま進めれば、こうした運用も違反リスクになりうる。未定の事項がある場合は、未定である理由と確定予定日を相手に伝え、決まり次第、速やかに明示する必要がある。

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