AI時代に求められる、「責任」と「社会性」を背負うマーケター

事業会社と広告会社、プロモーションとプロダクト、社会性と成果──。多様なフィールドを渡り歩きながら、「マーケティングとは何か」を自分の言葉で掘り下げてきたスヴェンソン メンズ事業部 マーケティング部 マネージャーの北島寛之(きたじま・ひろゆき)氏。責任を背負う覚悟、社会に向き合う視点、そして「誰かの人生を動かす」という信念は、どのように形づくられたのか。その核心に迫るべく、マスメディアンの荒川直哉がお話を伺いました。

事業会社に転じて見えた「責任」という感覚

━━キャリアのターニングポイントはどこでしたか?

間違いなく、事業会社に転じた瞬間ですね。広告会社時代は、提案して、納品して、プロジェクトとして一区切りがつくことが多かった。成果がどうだったのか、当時の自分の関わり方では見えづらい部分もありました。クライアントは「良かったですよ」と言ってくれるけれど、本音はわかりません。その距離がずっともどかしかったんです。

━━距離、ですか。

はい。自分の仕事が本当に役に立ったのか、確かめられない。「最後まで責任を持ちたい」という気持ちが、ずっと胸の奥にありました。

もう一つはスピード感。クライアントに「ここを変えればもっと良くなるのに」と提案したいと思っても、相談されていない領域には、外の人間は手を出せません。でも自分が事業会社のなかにいれば、自分の判断で動ける。「自分の意思で事業を成長させられる」という感覚に強く惹かれました。

「事業の全部」に触れたインハウスマーケターとしての学び

━━最初の事業会社は大手化粧品企業だったそうですね。

そうです。化粧品や健康食品は、マーケティングの影響がダイレクトに出る商材です。景気や社会情勢など外部環境によって売れ行きが決まる商材もありますが、化粧品などは届け方が売上に与える影響がとても大きい。「マーケターの腕が試される場所だ」と感じました。

スヴェンソン
メンズ事業部 マーケティング部 マネージャー
北島寛之 氏
2008年に大学卒業後、広告制作会社などを経て2012年に大手通販化粧品企業へ入社。事業会社のマーケターに転身する。2016年、大手光学機器メーカーへ転職。レンズのサブスクサービス立ち上げなどを実現。コロナ禍で早期退職し、イギリスで語学とマーケティングを学ぶ。帰国後、SNS運用会社でのコンサルティング業務やフリーランスなどを経て、2024年6月より現職。

━━実際に入ってみて、世界は変わりましたか?

一気に広がりましたね。広告会社時代はプロモーション中心でしたが、事業会社ではリサーチ、データ分析、売り方の改善、プロダクトの改善に至るまで、「商品・サービスの全部」に触れられる。課題に応じて、どんな手段でも選べる。分析だけで課題が解決することもあるし、ロイヤリティーの問題ならコミュニケーションを変える。商品に課題があるなら、商品そのものを変える。マーケティングとは、「商品・サービスを成長させるための総合的な営み」だと、あらためて理解しました。

上場企業で芽生えた「社会性」という視点

━━その後、大手光学機器メーカーへ。ここでは何が変わりましたか。

視野が一気に「社会」に広がりました。この会社は上場企業で、全国に約300店舗の直営店があります。ブランドイメージが悪ければ、地域に根差して商売することはできません。当然社員やスタッフも多いので、ブランドが社内でどう受け取られるかも重要でした。

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荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

荒川 直哉(マスメディアン 取締役 国家資格キャリアコンサルタント)

マーケティング・クリエイティブ職専門のキャリアコンサルタント。累計4000名を超える方の転職を支援する一方で、大手事業会社や広告会社、広告制作会社、IT企業、コンサル企業への採用コンサルティングを行う。転職希望者と採用企業の両方の動向を把握しているエキスパートとして、キャリアコンサルティング部門の責任者を務める。「転職者の親身になる」がモットー。

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