朝日新聞社は7月22日、広告会社関係者を対象としたメディア事業部門による「商品説明会」を開催し、新たな広告事業コンセプト「Mixed Media Communications(ミクストメディア コミュニケーションズ)」を発表した。信頼を起点に複数のメディアや体験を組み合わせる戦略を提示するとともに、新聞広告の価値をデジタル広告と同一の指標で定量的に示す取り組みを打ち出した。
「信頼を錨に、接点を連鎖させる」
説明会では、執行役員アカウント戦略担当の神田啓史氏が登壇し、同社の広告戦略の方向性を示した。
神田氏はまず、朝日新聞の読者層について「子育て世代もいればビジネスパーソンもいる。社会課題に興味関心がある人、シニアもいる」と述べ、特定層への偏りがない「ユニバーサルリーチ」が強みであると説明した。
その上で、新コンセプトの核心について「ミクストメディアというのは美術用語で、絵の具や写真、布などいろんな技法を用いて1つのアートにしていく手法を指す。我々としては新聞というものを起点として、新聞広告やデジタル、外部メディア、コンテンツ、リアル体験といったものをつなげていく」と語った。
同社の角田克社長が常々口にするという「トラストアンカー(信頼の錨)」というキーワードも紹介され、朝日新聞の「信頼」「一次情報」「文脈」「共感」を出発点に、他のメディアへ価値を波及させる考え方が強調された。
新聞広告をデジタルの「言語」で語る
神田氏が課題として挙げたのが、新聞広告の指標が他メディアと比較しにくいという点だ。「広告費の半分以上がデジタルになっていく中で、宣伝担当の方々もデジタルコミュニケーションに慣れている。そこで紙面の部数といったものを持ち出すと、レポートや比較がしにくい状態になるのではないか」と述べた。
この課題に対応するため、同社は「インプレッション」「広告リーチ」「推定接触率」といったデジタル広告と共通の指標を、新聞広告のレポートに導入する。算出方法としては、日本ABC協会の発行部数と全国MPS(回読人数)データを掛け合わせてインプレッションを算出し、新聞各社が共同運営する広告調査プラットフォーム「J-MONITOR(Jモニター)」のデータを活用して広告接触率を推定する。Jモニターの調査を実施しない場合も、業種・段数・掲載曜日などを変数とした過去3年分の統計データから平均値を算出して提供する。
「信頼」そのものも指標化へ 「NAVI SCORE」を近日公開
デジタル共通指標の導入にとどまらず、同社は新聞広告ならではの「信頼」という価値そのものを指標化する「NAVI SCORE(Newspaper Ad Value Index)」の試作版も発表した。
NAVIスコアは、「Authority」「Narrative」「Connection」「Honesty」「Occasion」「Resonance」の6つの軸で新聞広告の価値を多面的に数値化するもので、Jモニターの既存項目を集計してスコア化する。
神田氏は「例えばOccasion(タイミングの好適性)が18.5ポイント平均より高かった、Honesty(誠実なメッセージ)が17.3ポイント平均よりも高かったといった形で、タイミングと誠実さが強く響きましたというような説明ができるようにしたい」と説明した。近日中のリリースを予定しているという。




