「同じ時間に飛ばすの、やめます」 ANAとJALが初のダイヤ調整へ

全日空(ANA)と日本航空(JAL)は、燃料費の高騰などで厳しい経営が続く国内線の維持に向け、一部の路線で、同じ時間帯に離発着便が重複しないようダイヤの調整を実施する。今年5月、収益が悪化する国内線の維持に向けて国の有識者会議が事業者同士によるダイヤの調整を容認して以降では初。10月下旬から羽田―岡山線で、両社の便の発着時間が重ならないように調整したダイヤで運航を目指す。

写真 ANA 飛行機

写真 JAL 飛行機

Unsplash/David Syphers

現在は、両社とも岡山発を各5便、羽田発を各5便運航しているが、2026年6月の実績では、両社とも平均搭乗率は7割程度にとどまっているという。両社は冬ダイヤになる10月下旬から、離発着の時間が被らないよう、時間をずらすなどの対応をとるという。2025年の冬ダイヤで両社の便が5分~25分と離発着時間が近接していた8便を調整し、2026年の冬ダイヤでは55分~65分開くように設定している。

写真 フライトスケジュール

東京―岡山のダイヤ変更

国内線をめぐる状況は芳しくない。コロナ禍でオンライン会議が普及したことからビジネス客が減少したことに加え、先行きの見えない中東情勢などを受けた燃料費の高騰などもあり、利用客の少ない路線では維持が難しくなってくる。国土交通省によると、国内主要航空会社6社の2025年3月期の営業利益は公的支援を除くと赤字だ。

客の獲得で競争を続けてきたANAとJALだが、すでに岡山空港では設備やスタッフの一体運用を実施している。航空機のけん引車などを両社が共同で使用。案内などスタッフによる業務も一本化している。これまで、ダイヤの調整は独占禁止法に抵触するのではとの指摘もあったが、2026年5月に開かれた国交省の有識者会議で、一定の要件を満たせば同路線を運航する航空会社がダイヤを調整しても、独禁法上は問題がないとの見解がまとまった。こうした国の方針の変更もあり、両社は協調して国内線の収益性改善につなげる狙いだ。

今回の冬ダイヤで、実際に減便となった路線もある。ANAは、羽田―伊丹、伊丹―福岡、伊丹―松山でそれぞれ1往復ずつ減便する。JALの羽田—小松は1日6往復から4往復に、伊丹—福岡は同4往復から2往復に減便される。

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