酒税改正を機に、サントリーが新ジャンルとして販売してきた「金麦」をビールに切り替える。10月6日に「金麦」「金麦〈糖質75%オフ〉」をビールとして発売。10月13日には、よりコクや飲みごたえを求める人に向けた新商品「金麦〈豊潤〉」も投入する。
10月1日の酒税改正で、ビールと発泡酒の酒税は350ml当たり54.25円に一本化された。9月30日まで63.35円だったビールは減税となる一方、新ジャンルなどは増税となり、両者の税率差がなくなった。
一方、サントリーは、酒税の一本化後もプレミアムビールやスタンダードビールとの価格差は残ると見込む。そこで、従来の新ジャンルユーザーの移行先となる、手ごろな価格帯のビールに着目。同社はこの市場を「デイリービール」と位置付けている。
同社が示した6缶パックの想定市場価格は税抜きで、プレミアムビール1130円、スタンダードビール1030円、デイリービール880円。金麦3商品で「デイリービール」市場を開拓していく考えだ。
ビールに切り替わった「金麦」
「ビールへの移行」だけでは需要を維持できず
今回の戦略の背景には、2023年の酒税改正で得た教訓がある。
2023年の改正では、ビールの酒税が引き下げられる一方、新ジャンルは引き上げられ、両者の税率差が縮小した。価格差が小さくなれば、新ジャンルの飲用者がビールへ移ることも期待されたが、実際にはそう単純には進まなかった。
同社によると、新ジャンルの価格上昇を受けて、飲酒量そのものを減らしたり、他の酒類へ移ったりする動きが生じた。新ジャンル需要の減少分がそのままビールに移行したわけではなく、結果としてビール類市場全体の成長にはつながらなかったという。
同社の推計では、酒量の減少を含む酒離れと、ビール類からの離脱による需要減少は、ビール類市場全体の約4%に相当する。
サントリー マーケティング本部 ビール・RTD部長の奥田秀朗氏

