【実装編】2025年と2026年でクリエイティブディレクションはどう変わったか

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昨年度に引き続き、今年度も9月から「クリエイティブディレクション講座 藤平達之クラス」を開講させていただくことになりました。

個性を磨くクラスというよりは、いわば「基礎練」をするクラスです。広告会社のクリエイターでなくても実務に活用できる「クリエイティブな思考法の基本的な土台」を中心に扱います。

構成はほぼ昨年度と同様で、コンセプトやディレクションの中心を定める「定義」、それを表現や体験にする「実装」、そして創造的に仕事を進めるための「姿勢」の3部(全8コマ)になっています。

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という “番宣” を背景に、今回も、「生成AI」の進化・浸透で、定義・実装・姿勢のあり方(=働き方)がどう変わったかを、生成AIを “中くらい” 使っている自分の実体験から考えてみたいと思います。第2回は、表現や体験などの「実装」における変化についてです。

「AIを活用した○○」の賞味期限はいつまでか

生成AIによる表現やブランドの「スロップ化(一見よくできているが中身が薄く価値がないこと)」への危機感は、すでに各所で語られており、私自身も同じ懸念があります。

ただ、プロダクトやサービス開発に携わることが多い自分が、いまそれ以上に気になっているのは、「AIの新しさの賞味期限とその先」です。

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これは、裏を返すと、スマホやSNSのように民主化するのはいつかということです。いま、ブランド体験で、「SNSを活用した」というアピールがされることはほぼありません。

しかし、AIはまだそうではなく、「AIを活用した○○」を打ち出す体験が急増しています。悪いことではないのですが、ここで個人的に思い出すのは「企業公式SNSアカウント」です。

「ブランド公式AIエージェント」は持続性がある体験か

さまざまなSNSがブームになった2010年代、各SNSで、多数の企業・ブランドの公式アカウントが生まれ、「中の人」という言葉も流行りました。

約10年が経ち、リソース・貢献度などさまざまな要因があると思いますが、公式SNSは下火になったように感じます。だからこそ、いま訪れつつある「(次は)企業・ブランド公式AIエージェントだ」という流れは、どこかあの頃のように感じられ、注意深く向き合わないといけないと思うわけです。

「企業AI」と会話できる体験は目新しく、短期的には流行るでしょう。ただし、中期的には淘汰が進み、「会話されないAI」がほとんどになる気がします。フォロー以上の行動が生じるため、数十のAIの使い分けが、(現時点では)少し面倒そうだからです。

公式SNSも然りですが、「ブランド体験を新しい手口で進化させる(ブランド>AI)」のではなく、「新しい手口にブランドを合わせにいく(AI>ブランド)」と先細るのではないかというのが、自分なりの仮説です。

「既存の体験をAI的にする」のではなく「AI時代の体験を描く」

レンタルビデオサービスからサブスク動画配信サービスへの変化は、「借りる」という手段の動詞ではなく、「好きなものを好きなだけ観たい」という欲求の動詞を進化させたから世の中に定着しました。

AI時代も同じで、大切なのは、手段の動詞以上に、生活者の欲求を示す動詞ではないでしょうか。そしてこの欲求こそが、AIによって大きく動いています。つまり、「AIで何をするか」ではなく「AI時代に人は何をしたくなるか」を考えたいのです。

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「検索したい」気持ちは、「ベストを教えてほしい」気持ちへ。
「いいね!が欲しい」気持ちは、「私を分かってほしい」気持ちへ。
「トリセツが知りたい」気持ちは、「やっといてほしい」気持ちへ。

いまだ叶っていなかった、あるいは新たに自覚した欲求に対して、「ここにAIで何かできないかな?」と問いを立てる。それを体験として実装すれば、手段としてのAIをアピールしなくても、体験自体が新しく嬉しいものとして受け入れられる気がします。

体験は表現より領域が広いため、手段の動詞ありきになりやすく、SNS・アプリ・XR・AIなどその時々のトレンドが目立ちがちです。トレンドを拒絶しないことは大事ですが、忘れてはいけないのは「AI時代の生活者だからこその欲求に応える体験」を実装する視点。

講座の「実装」パートでお伝えするのは、そのためのいくつかの視点や方程式です。ということで、実装編はここまで。お読みいただいた方、本当にありがとうございました!

講座の開始に先駆けて、8月27日(木)に無料体験講座をオンライン配信します。ご希望の方は、ぜひこちらから参加申し込みをお願いします。

クリエイティブディレクション講座 藤平達之クラス 概要

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開講日 2026年9月24日(木)19:00~21:00
講義回数 全8回
開催形式 教室(表参道)開催
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藤平 達之

博報堂/SIX
クリエイティブディレクター/ストラテジスト

1991年生まれ。一橋大学卒業後、2013年博報堂入社。クリエイティブブティック・SIX、官民共創クリエイティブスタジオ・Vegaにも所属。「愛される/尊敬されるブランドを社会に増やす」という目標を持ち、パーパスと生活者発想の両視点から設計したコンセプトを、広告/コミュニケーションに留まらず、サービス/プロダクト、コンテンツやインナー活性化プログラムなど、さまざまな手法で体験にする。これまでに「ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS 総務大臣賞/グランプリ」などを受賞。ad:tech tokyoなど登壇の実績も多く、自著に『クリエイティブなマーケティング』(現代書林)がある。 好きなものは、串揚げとジンとクッキー缶。

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