「こういう企業こそ残ってほしい」 熊本支援で称賛のグンゼ、実は祖業が13億円の大赤字…ところが最新決算では黒字回復、復調の兆しも見えた構造改革とは

7月に発生した熊本地震の被災地に約10万枚の肌着を届けたグンゼに、SNS上で称賛の声が広がっている。「グンゼを買って応援したい」「こういう企業こそ残ってほしい」といった投稿も相次ぐ中、実はその肌着を中核とするアパレル事業は前期、営業赤字に転落していた。国内4工場の順次操業停止や希望退職など、老舗企業は今、大規模な構造改革の真っただ中にある。ただ、最新決算では復調の兆しも見え始めている。

グンゼは8月18日、関係省庁などの要請に応じ、7月30日から支援物資を発送したことを発表した。男性・女性用の肌着約10万枚を8月3日に熊本県へ届けたほか、緊急災害対応アライアンス「SEMA」を通じ、男性用肌着1850枚、女性用1050枚、子ども用850枚も提供した。

この取り組みを紹介する投稿はSNS上で拡散。「自分たちが苦しくても、困っている人を助ける」「こういう日本企業こそ残ってほしい」といった声が寄せられ、数万件規模の反応を集める投稿も出ている。中には、グンゼが国内工場の閉鎖を進めていることに触れながら、その状況下での支援を評価する声も見られる。

グンゼが130周年を記念して公開した周年記念Webサイト

「国民肌着」のグンゼ、前期はアパレル赤字に

2026年3月期のグンゼは大幅な減益となった。連結売上高は前期比4.5%減の1309億1800万円、営業利益は38.4%減の48億8200万円。親会社株主に帰属する当期純利益は91.9%減の5億900万円まで落ち込んだ。

アパレルの量販店など既存ルートでの販売減少や、在庫適正化に伴う棚卸資産の評価減などが響いたと説明している。

中でもアパレル事業は、売上高が3.6%減の585億9700万円となり、前年の7億5300万円の営業黒字から、13億3400万円の営業赤字に転落した。棚卸資産の評価損が約19億円増加したことに加え、量販店などで衣料品売り場が縮小し、消費者の買い控えも影響した。

グンゼは1896年に製糸会社として現在の京都府綾部市で創業し、2026年8月に130周年を迎えた。1946年にはメリヤス肌着の製造を開始し、その後、インナーウエアを代表する企業の一つとなった。現在はアパレルだけでなく、プラスチックフィルムなどの機能ソリューション、メディカル、スポーツクラブ運営などにも事業領域を広げている。

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