昨年に引き続き、面白法人カヤックの「おもしろ突破塾」が9月12日より開講します。本講座は多様なコンテンツを生み出すカヤックの7名のクリエイターから、広告企画やデザイン、新規事業、地方創生など7つの領域を通して、企画を世の中に広げるために必要な発想・共創・選択・届け方のすべてを体験できます。
講座を担当する講師が、カヤックのユニークなコンテンツが生まれる「手の内」について、お届けします。
クライアントワークからR&D、そして「中の人」へ
面白法人カヤックでディレクターをしている泉聡一です。2012年に新卒でカヤックに入社後、ざっくり3つのフェーズのキャリアを辿ってきました。
1つ目のフェーズは、いわゆるウェブ制作会社の受託事業部で行うような、ウェブ広告や、キャンペーンサイト、コーポレートサイト制作のディレクター。企業の哲学をビジュアル化したり、ミニゲームなどのインタラクティブコンテンツにして伝えるようなことを得意技としていました。
2つ目のフェーズは、企業のR&D部門からの依頼でPoC(概念実証)の開発を数多くお手伝いしました。メーカー企業で開発中の要素技術を組み合わせて、分かりやすい営業用デモキットをつくったり、社内プレゼン用の動作モックをつくったり、大型展示会向けのコンテンツをつくったりしてきました。
そして現在の3つ目のフェーズが、ホームセンターの「カインズ」さんとの取り組みです。4年前にカインズさんがカヤックに資本業務提携をしてくれたことをきっかけに、カインズ社内に「面白事業部」という部署が発足。私もその面白事業部のメンバーとしてカインズの中に入り新規事業の立ち上げ・運営などに携わっています。
カヤックが参加する「CAINZ DIY MARKET(カインズDIYマーケット)」
僕の講座では、受託ウェブ広告制作から、事業会社の中での事業開発まで数多くのレイヤーを経験して見えてきた、うまくいくプロジェクトに共通するチームの雰囲気や考え方についてお話できればと思います。
カヤック流ブレストが、他社との協業で役に立つ瞬間
カヤックの「ブレスト」を長年やってきてよかったと思うのは「誰のアイデアか」にこだわらなくなったことです。ブレストで出たアイデアをみんなで膨らませていくので、成功しても「自分の手柄」と主張しない。裏を返せば、失敗しても「あいつのせい」にもしない、手柄も責任も分散される文化です。
普通は、アイデアを出した人を評価するために、個別のアイデアと個人を紐付けようとしますが、実はそれではブレスト本来の面白さを体感することはできません。アイデアに乗っかり、壊し、迂回して、あっちとこっちが繋がり、思いも寄らないところに辿り着く。一人では出なかったアイデアが出てくることこそがブレストの醍醐味だと思います。
このカヤック流のブレストマインドを持って、会議に参加すると「手柄を主張するための発言」や「責任を取らないための発言」「縄張りのための発言」のようなものが、全て馬鹿らしくなってくる。だから、会議の本質に集中することができるようになるんです。
また、ファシリテーターとしては、対立する2つの意見を一旦ほぐして「もう誰の意見でもないよね」という形に混ぜ直す。そうやって責任や手柄を個人から一旦外し、チーム全体のものとして再構成する。ブレストは、アイデアを出すためだけでなく、チームの一体感をつくるためにも使うことができるのです。
これは会社を跨いだ協業関係の中でも役に立ちます。受託もろだしの主従関係があるようなチームの中では、想像を超えてくるような成果は生まれません。手柄も責任も分散された、一体感のあるチームになった時にいいプロジェクトになるのです。そのチームをつくるための仕組みとして、カヤック流のブレストが有効であり、そこで学んだマインドが私たちの気持ちを楽にしてくれるはずです。
