グラフィックデザイナー/アートディレクター 矢後直規氏によるグラフィック展『Pangraphics(パングラフィクス)』が、11月1日から始まる。会場となるのは、1867年建立の国指定重要文化財である、京都・東本願寺の大玄関だ。
矢後氏は、1986年静岡県生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。博報堂を経てSIXに所属後、2025年にPangraphicsを設立した。これまでにZIPAIRやスマートハウスメーカーMWのブランドデザイン、グローバルコスメブランドSENSAIのビジュアルコミュニケーション、Laforet HARAJUKUの広告、アーティストのCDジャケットなど、アートディレクションを手がけながら、自身のアートワークを発表。2020年ラフォーレミュージアム原宿での初大規模個展「婆娑羅」、香港のPMQで行われた「Imitative Behaviour」など展覧会を開催した。
本展では、屏風、掛け軸、着物、団扇といった伝統工芸との協働を通じ、浄土真宗 真宗大谷派の本山である京都・ 東本願寺 大玄関という宗教的・歴史的空間を舞台に、現代のグラフィックデザインと人間の関係性を問い直す美術作品を展示する。
本展のテーマは、テーマは「不完全さの受容」だ。矢後氏があらゆる制作において一貫して掲げるデザインコンセプト「Humane Error」。これは、人間的なミスやエラーをデザインの中に取り込むという考え方であり、不完全さをあえてデザイン自体に組み込む、矢後氏ならではの手法でもある。
今秋から始まったNHK連続テレビ小説『ブラッサム』にて、矢後氏はタイトルロゴおよびビジュアルデザインを手掛けている。にじみや汚れ、デザイン制作時に描かれる補助線などをあえて残したビジュアルは、まさに矢後氏の「Humane Error」に基づいたデザインと言えるだろう。
本展では、その制作過程から生まれた表現として『ブラッサム』の主人公である小説家・宇野千代ゆかりの “淡墨桜(うすずみざくら)” をモチーフにした大屏風をはじめ、平安京から続く京都が守り続けてきた紅葉の景観を描いた新作を初披露。「淡墨桜余花図屏風」「淡墨桜余花図屏風」「新鳥獣図」「平安紅葉図」「桃蕾図団扇/蒲公英図団扇」など、屏風、着物、掛け軸、うちわ、刀などに、その世界を広げている。また、過去作品のインスタレーションの展示もある。
会期は、11月8日まで。会場では、展覧会記念オリジナルグッズとして、うちわの販売もある。
矢後直規 グラフィック展『Pangraphics』
11月1日(日)~11月8日(日)
会場:真宗大谷派 東本願寺 大玄関
開館時間:10:00~16:00(最終入場15:30)
入場料:無料






